アミバ様が新しい経絡秘孔を発見したら医療特許で儲けられるのか?

亜留間次郎
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初出:2019/01/29 Vol.313 アミバ様が新しい経絡秘孔を発見したら医療特許で儲けられるのか?

Joker
Joker

亜留間先生、医療特許を取ってたらなんかスゴイのでしょうか?

亜留間次郎
亜留間次郎

医学と医療特許は何の関係もありません。

Joker
Joker

えっ、無関係なんですか?

亜留間次郎
亜留間次郎

はい、特許事務処理の都合だけです。

「おれは天才だ!」といえば、漫画「北斗の拳」のアミバ様ですが、新しい経絡秘孔を探している彼ですが、仮に秘孔を見つけたとして、特許を取って大儲け・・・という事は可能なのでしょうか。今回はその辺をテーマに、医師免許持ちの本物の天才、亜留間次郎先生が医療特許について解説していきます。早速本編をどうぞ。

医療特許とはなにか?

怪しげなサプリメントや健康グッズの広告に「医療特許」という言葉が出てくることがあります。

これが何なのかと言うと国際特許分類(IPC)という物があり、その中で特許の種類ごとに細かく分類されていて、国際特許分類のセクションクラスA61がいわゆる医療特許と呼ばれているものです。

国際特許分類はセクション、クラス、サブクラス、メイングループ、サブグループに分けられていて特許情報を検索するためのインデックスの役割をしています。

つまり、医療特許というのは特許事務を円滑に処理するための分類で医学とは何の関係もありません。特許を扱う弁理士の仕事の道具で医療従事者には全く関係ない物です。全てのアネロス製品が医療特許取得済みという時点で察してください。

「国際特許分類検索ホームページ 国際特許分類カテゴリ A61」は以下より確認できます。

国際特許分類メニュー&検索システム
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医療特許は自己申告

重要なことですが、特許分類は特許を出願する時に書類に自己申告で書くもので、特許の内容を見て特許庁が分類してくれるわけではありません。

医療特許は、医療従事者が使用する医薬品や医療機器限定の特許ではありませんし、医学とも何の関係もありません。

例えばA61Hというサブクラスを見てみると、「A61H 31/00:人工呼吸 心臓刺激」という人工呼吸器やAEDなどの特許と「A61H 19/00:生殖器のマッサージ」という、いわゆる「大人のおもちゃ」も同じA61Hです。

さらに「A61H 21/00:人体の腔部をマッサージする用具」はかなりカオスで電動歯ブラシとリモコンバイブが同じグループです。

このように、医療特許とは、特許事務処理上の都合で存在しているのです。繰り返しますが、医学とは無関係で、医療特許があったとしても、医薬品でも医療機器でもありません。

例えば「20150806:黒酢グルコサミン混合物を含有する錠剤」の特許は「A61K 9/00:特別な物理的形態によって特徴づけられた医薬品の製剤」に分類されています。

が、しかし、特許の内容は「苦みやえぐみを感じることなくグルコサミンを摂取しやすい形状にすること」です。

グルコサミンに関節の痛み等の改善効果があるかどうかは出願者の自称であり医学的根拠は保証されていません。

何の意味も無い医療特許を掲示しているのは違法な不当表示にならないギリギリの所を攻めたインチキ商品だと疑って良いです。

認められない医療特許

逆に特許があっても良さそうなのに医療特許が認められないものがあります。

例えば、漫画で有名になったバチスタ手術ですが、あの手術法で特許を取ることは出来ません。医療従事者が行う手技、いわゆる診断方法や治療方法などには特許が認められないのです。

これは、医師がいちいち特許処理を行わないと診断や治療が出来ないような状況になると、患者が死ぬからです。医師は論文で見つけた治療方法を行うときに、その技術に特許があるかどうか考慮する必要はありません。

医薬品や医療機器の特許を取ることは認められていますが、医師が使用する医薬品や医療機器は特許料込みの価格で購入しており、特許侵害があっても、それは製薬会社が訴えられて責任を取るべき事件で、使った医師が特許処理に関わる必要はありません。

人の生き死にがかかっているので、この辺はなんだかんだで良く出来ているのです。

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経絡秘孔の特許

さて、掲題の「アミバ様が新しい経絡秘孔を発見したら医療特許で儲けられるのか?」という話ですが・・・このような理由があるので、経絡秘孔を発見したとしても、そのままでは医療特許は取れません。

治療方法は特許が取れないので北斗神拳を医術に応用して病人の治療を行なった場合、アミバ様は新秘孔を発見しても新秘孔を特許出願することが出来ず、他の誰かが同じ秘孔を利用して治療を始めても訴えることは出来ません。

なので、医療特許を取って儲けるには、別のアプローチが必要になります。具体的にどうしたらいいのかと言うと、メイングループ「A61H 39:物理療法のため人体の特定のつぼの位置を検出 刺激する装置」で新秘孔の位置を正確に適正な力で突くことが出来る装置を開発して特許を取ればいいのです。

サブグループの「A61H 39/02:つぼの位置を検出する装置」として新秘孔の位置を検出する装置を出願して「A61H 39/04:つぼを圧迫する装置」として新秘孔を突く装置を出願すれば完璧です。

医師に北斗神拳を会得させるなんて難易度の高いことを要求せず、誰でも北斗神拳と同じことが出来るようになるデバイスを開発すれば良いのです。

特許で儲けられるだけでなく、北斗神拳が使えない普通の医師でも経絡秘孔を使って患者を治療することが出来るようになり、大勢の人間が救われます。しかも、秘孔を間違えて患者が破裂する事故も防げます。

もしも、世紀末が訪れずに平和な時代が続いていれば北斗神拳は平和な社会で存在が許されない殺人術にすぎません。

現実のような世紀末にならなかった世界線ではアミバ様が北斗神拳を医療に応用して大勢の人間を救っていたかもしれないのです。まあ、99.9%の確率でマッド・ドクターになっているでしょうけど・・・

ならば、トキやケンシロウが特許を申請すれば良いのかと言うと、北斗神拳は一子相伝の拳法なので他人に経絡秘孔を知られるわけにはいきません。

つまり、経絡秘孔の特許を申請してしまうと、その情報が公開され北斗神拳が一子相伝ではなくなってしまいます。

正当伝承者でないアミバ様は一子相伝とか関係ないので特許出願できますが、トキやケンシロウは家庭の事情で特許出願することが出来ません。

技術は秘匿すべきものではありません、公共の福祉の為に北斗神拳は一子相伝を辞めるべきです。そうすれば北斗四兄弟は平和な世界で全員仲良く暮らせるのです。

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