ヘルドクターくられの事件簿:【最強ミント液】キワミ冷感スプレー

生活と科学
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初出:2019/08/13 Vol.341 最強ミント液 キワミ冷感スプレー

Joker
Joker

今回は「くられ先生、熱中症を起こして自分の名前を忘れる」ですね。

くられ
くられ

手当てを受けて意識が戻ったはいいが、マジで脳が全然仕事していなかったからな・・・あれは怖い。

Joker
Joker

そもそもなんでそんなヤバい熱中症起こしたんでしょうか・・・

くられ
くられ

原因はこの「キワミ冷感スプレー」だな。ほれっ(バッシャア!)

Joker
Joker

冷たっ・・・うおおおお、なんじゃこりゃあ、超寒い!(ガタガタブルブル)

くられ
くられ

メントールの力でまったく暑さを感じなくなるからな。感じないだけで体温は上がるのでヤバい訳だ。

Joker
Joker

そんなヤバいものを人にかけないでくださいよ! マジ寒い!

冷感スプレーのメカニズム

今回は、かつて天才的発明をしたと思い込んだ男が自業自得の目に遭う話である・・・。

ミント系シャンプーがあるじゃないですか。洗い上がりには頭が涼しいくらいの清涼感のある、「クール」なんて銘打たれてるアレです。

さらに近年、薬局なんかにも冷感ミストみたいなスプレーやボディタオルが売られており、スプレーしたり体を拭くだけでミントミントしてひんやり〜する。

このメカニズムは簡単で、メントールを液体に溶かしてあるだけです。

ってーことは、メントールが手に入れば冷感スプレーの自作とか出来るんじゃねえ?

そう思ったのが、悲劇の始まりだったのです・・・

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メントールで作るキワミ冷感スプレー

メントールは薬局などでも固体を購入することができますし、ネット通販でも売られています。

「ハッカ脳」という商品名が付いている事もあり、クリスタルのような結晶として手に入る感じです。

メントールはMenthol、末尾がolなのでアルコールです。この辺の命名の仕方が気になる人は「アルコール 命名法」などでググって見てください(笑)

アルコール 命名法 - Google 検索

ともあれ、メントールは名前の通りアルコールなので水に溶けるのですが、非常に溶けにくく、時間がかかります。これをなんとか解決できんもんかと考えました。

まずはエタノールを加熱して、そこに粉末したメントールをドバドバ投入。水に良く混ざるように乳化剤として1滴ほど食器用洗剤を入れて水で希釈した後、思いっきり振り混ぜると、ごり押しで白濁した冷感液の出来上がり。

まさに最強のミント液、キワミ仕様です。これぞ「キワミ冷感スプレー」! 今名付けました。

試しにこれを指先に少し付けて見ると、もはやサムイを通り越してかじかむレベル。

これは勝ったな・・・ということで、頭から被り炎天下に出たところ、即座に猛烈な熱波に襲われるも、一切の熱さを感じない。むしろ寒い。というわけで帽子も被らなくてこれOKでは?

となぜか強烈な勘違いをし(既に熱さでバグっている)そのまま灼熱の炎天下になんの対策もなくお出かけしたわけです。

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ヘルドクター、脳がバグって死にかける

その日は銀行に新規口座を作るために行く予定だったので、銀行に揚々と到着。しかし何かがおかしい。

銀行の入り口がうねうね動いているのである。

いや、銀行の自動ドアはこんなコンブみたいな素材ではないはず。おかしいのは自分の脳だ。

クーラーの効いた銀行に入って気がついた。何をしに来たんだっけ?

そしておもむろに職員さんに「あのぉすみません、自分は何をしに来たのでしょう?」などと心の底から意味不明な質問をしている。ヤバい。

完全に壊れた人の入店で顔が引きつっていたと思うが、そのまま意識を失って昏倒。気がつけば頭に保冷剤をのせられ扇風機の前で冷やされているではないですか。

ははーん、これは噂の熱中症か。なんで? こんなに寒いのに。

盛大にバグっている上に、身元の確認をされる。しかし意識は取り戻したものの、今度は字がかけなくなっていることが判明。それどころか住所も言えない思い出せない。そもそも数字さえ書けなくなっている。

「あれ? 4ってどういう方向で書けばいいんだっけ・・・??」みたいな、脳が完全に機能を喪失しているのが露骨で、そのあたりから凄まじい恐怖に襲われました。

もらった冷たいドリンクをガブのみして、保冷剤を脇に挟み、水をあたまからかけて扇風機で強制冷却していたら、多少はマシになってきた。

銀行員さんには本当に迷惑をかけたと思う。穴があったら埋めて欲しい。

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「冷感」についての科学的な解説

というわけで、自分の間抜けな事件の話をお送りした訳ですが、銀行到着が遅れてもし路上でぶっ倒れていたとしたらマジで死んでいただろう。本当にシャレにならない。

冷感スプレーの類が冷たく感じるのは、皮膚細胞など多くの細胞表面に存在する温度感受性TRPチャネルと言われるイオンチャネルの働きによるものです。

例えば熱が加わると、熱が加わったことで細胞が壊れたり炎症物質がでてそれを感受して「熱い」とか「冷たい」と神経に連絡をするための伝達系が、このTRPチャネル。

有名なのはTRPV1レセプターで熱さを感じる受容体ですが、カプサイシンが来ると熱と勘違いして温熱信号を送るので熱く感じるわけです。実際にトウガラシが熱いわけではありません。

冷感ではメントールがTRPM8にハマることが知られていて、トウガラシが熱を偽装するのと同じくメントールは冷感を偽装するのです。

要するに、冷たいと感じているだけで冷たくなっているわけではないのです!!!

以上!! 解散!!

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コミケ熱中症対策で「冷感スプレーはオススメしない」といったのは、今回の記事の通り

気化熱タオルはオススメ。

熱中症対策。茶番で登場したミント液は今回のエピソードに基づいています(笑)

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