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年賀状は時代にそぐわぬ危険物!:ヘルドクターくられの「俺コラム」

リテラシー
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初出:2017/01/10 Vol.206 俺日記
初出:2017/01/17 Vol.207 俺日記
改稿:2023/12/09

くられ
くられ

本日は、年賀状の危険性についてお送りする!

Joker
Joker

・・・年賀状? 年末年始の風物詩ですが、それがどうかしたんですか?

くられ
くられ

いやいや、三が日のポストを覗き見るだけで交友関係バレバレになるし。実家から来た年賀状をもし見られたら実家バレだよ?

Joker
Joker

そう言われると個人情報の固まり・・・安易に考えちゃいけないですね。

くられ
くられ

別に風習を否定するつもりはないけど、もはや時代にそぐわないというのは事実なのよね。

Joker
Joker

まあ、元は直接行けないところへの年始の挨拶なわけですから、時代を考えるならSNSで「あけおめ」で良い気はします。

年賀状への警鐘

新年にやり取りされる「年賀状」。実はこれは、今の時代となっては非常に危険な風習です。

自分は別に、斜に構えて日本の風習に唾を吐くつもりはありません。

しかし、年賀状一枚と高を括っていると、思わぬ痛い目に遭う可能性が否定できません。

今回は、年賀状の注意すべき点についてまとめてみましょう。

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個人情報の固まりである年賀状

まず、年賀状というシステムを考えれば自明なのですが、大量の個人情報が飛び交うことになります。

昔であれば、ハガキに書かれた住所と家族の写真を見て和んでいられました。しかし、今や多くの人がSNSを利用している時代です。

SNSの中でも、実名を前提としているFacebookは特に怖い。名前以外にもあれこれと個人情報を集めているのは周知の通りでして、それを利用して商売をしているのがFacebookなわけです。

集めた個人情報を、普通にターゲット広告に使われる程度であればともかく、まったく無関係な第三者が名前を検索して出てきてしまうという点が大きな問題でしょう。

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SNSとの組み合わせで思わぬ情報漏洩

年賀状一枚の情報から、場合によってはFacebook経由で家族構成はもちろん、外出状況や仕事や趣味、経歴などなどが丸分かりになってしまうこともあります。

またそうではない、匿名で利用できるTwitterなどでも、セキュリティ意識が高い人ばかりではないため、なんの気無しの写真一枚から個人が特定できてしまう、というのはあちこちで触れた通り。

例えば、年賀状に載せた写真をそのまま顔を隠す程度で投稿してしまったりするとヤバいのはすぐに想像できると思います。思わないのだとしたらちょっとリテラシーに問題があります。

ネット上でキーボードを叩くだけで一家の情報が丸裸に出来てしまう時代だからこそ、過去にはなんでもなかった年賀状という存在が、急激に犯罪と結びつきを帯びてくるわけです。

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「自分のことなんか誰も気にしてない」という過信

ここまでの話をまとめると、個人情報の検索が極めて簡単な時代なので、年賀状という個人情報の固まりは大変危険である、ということになります。

とはいえ、こういう話をすると付き物なのが「自分なんか誰も見てないやろ」というご意見。ごく普通の小市民だし誰も注目なんかしてないと、そう思われるのはごもっともかもしれません。

しかし、親戚や親しい友人なんかが何かをやらかしてニュースになったり、それほど重大事件ではなくても、ちょっとしたことからSNSで大炎上して、そこから飛び火したり、なんてことは、ごく普通にあり得ることでしょう。

炎上による風評被害というものはなかなか強烈で、デマによって無関係なところ、それこそ、ただ単純に名前が似ていただけとかでも、非難が殺到することがあります。

この辺を踏まえると、どういったことで急に個人情報を守らなくてはいけなくなるか、わかったものではありません。

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盗み見られる危険性も実は非常に高い

また、年賀状に例えば「今年からは念願の一人暮らしだね! 大変だと思うけど頑張って!」などと書いてあるとしましょう。

たったこれだけのメッセージでも、宛名と組み合わせたら「ああ、この家は女性の一人暮らしなんだな」と、モロバレになってしまうわけです。無関係な誰かに盗み見られたらと思うとゾッとしませんか?

もちろんこの辺は、普通の手紙やハガキだって怖いとも言えるのですが、年賀状というのはまた特別です。

というのも、まず、大量のやりとりが発生する関係で、年賀状の時期は年内でもっとも郵便事故が多く、そして年賀状が紛失したところで「今年は届かなかったね」程度で気にしないケースも多いから。

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届くタイミングが決まっているのも怖い部分

さらに、三が日の間に郵便受けに入るということも確定しています。

個人情報を盗みたがっているストーカーなんかの犯罪者からすれば、これだけ良いタイミングはなく、まさに願ったり叶ったりのカモネギ状態でしょう。

郵便受けをまるっとチェックしてやれば、送り主からその人の個人関係がほぼ浮き彫りにもなってしまいます。

これらの理由から、年賀状というのはもはや風情などと言っている場合ではなく、時代にそぐわぬ危険な行動だと言えるわけです。

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安否確認はネット経由で十分じゃない?

そんなの気にしすぎ、自分に限ってそんなこと・・・などと思うのは自由です。

しかし、年賀状は「みんながやってるから」ということで、勝手に他人が人のプライバシーを危機にさらすので、個人的には年賀状はこれからも永遠にNO!

そもそも年賀状でわかる生存確認だとか普段元気かどうかなんてのは、今ではネット経由ですぐわかる話です。

それこそたまに電話をしたり、交流があってこそであり、年賀状で安否を知る程度の間柄なんかそもそも必要なのでしょうか?

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著者紹介

くられ
くられ

作家、科学監修。「科学は楽しい!」を広めるため科学書分野で20年以上活動。著作「アリエナイ理科」シリーズ累計50万部突破。原作を務めるコミックス「科学はすべてを解決する!!」も50万部を超える。著作「アリエナクナイ科学ノ教科書」が第49回・星雲賞ノンフィクション部門を受賞。週刊少年ジャンプ連載「Dr.STONE」においては漫画/アニメ共に科学監修を担当。TV番組「世界一受けたい授業」「笑神様は突然に・・・」NHK「沼にハマってきいてみた」等に出演。ゲーム実況者集団「主役は我々だ!」と100万再生を超えるYouTube科学動画を多数共同製作。独自YouTubeチャンネル「科学はすべてを解決する!」チャンネル約30万登録やTwitterフォロワー16万人以上。教育系クリエイターとして注目されている。関連情報は https://twitter.com/reraku

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