くられ先生のお薬講座:お酒で薬を飲んではいけないのはどうしてか?

美容と健康
スポンサーリンク

初出:2020/05/05 Vol.379 お酒で薬を飲んではいけないと言われているけどどうしてなの?

くられ
くられ

本日はアルコールと薬の話をお送りする。当たり前だが、睡眠薬を酒で流し込むようなことはしちゃダメなのである。

Joker
Joker

結構見かけますよね。大して効かないからお酒で飲んじゃえとか。

くられ
くられ

ワンチャン死ぬんだけどね。ガチャで言うならSSR引く感じで。

Joker
Joker

怖ッ! え、そんなヤバいんですか? 量飲んだらダメとかじゃなくて?

くられ
くられ

効果が足し算じゃなくて掛け算で働くことがあるんだよ。眠剤ワンシート飲んじゃいましたーとかは論外で救急車からの胃洗浄コースだけど、そうじゃなくてもうっかり死ぬ時は死ぬ。

POKA
POKA

はっはっは。ガチャでSSRが出るのはうれしいのだろう? ここに「SSR確定ガチャ」的などk・・・薬があるぞ!

Joker
Joker

この場合のSSR確定ってつまり飲むと死ぬってことじゃないですかヤダー!

お酒で薬を飲んではいけない理由

たまにビールやチューハイなど、お酒で薬を飲んでいる人がいます。

本来当たり前なのですが、これはとてもオススメできるものではありません。

特にアルコールとの併用が注意されてい薬が病院から出ている場合(処方されている場合)は、原則お酒を飲むのは控えるというかやめておくべきものなのです。

こういう話をすると「なんでお酒で薬を飲むのはダメなの?」という、素朴な疑問が出ることもあると思いますが・・・

理由は簡単で、ヤバい副作用が出ることがあるからです。

今回はこの辺について、少し詳しく見ていきましょう。

スポンサーリンク

睡眠薬をお酒で流し込むとワンチャン死ぬ

お酒を飲まないと眠れない→睡眠薬の処方を受ける→薬が弱いので酒と合わせないと眠れない

こういうとんでもない事例をたまに見かけますが、これは地味に危険です。

中枢神経を鎮静させる薬とアルコールの併用はその作用が足し算ではなく掛け算的に発動することがあり、その結果、呼吸不全や循環不全といった生命の危機に直結することもあります。

弱い薬だから大丈夫、何度も飲んでるし問題ないっしょ的な人もちょいちょい見かけますが・・・

端的に言うと、ワンチャン死ぬかもね、という話です。

「死」というSSRが入ったガチャを毎度回すのはあまりリスク工学的にもオススメできません(笑)

スポンサーリンク

糖尿病とお酒と薬

あとは、糖尿病の薬とお酒の組み合わせも非常に危険です。

インスリンや血糖降下剤などの薬も低血糖から昏倒を引き起こすことがあります(糖新生阻害作用)。血圧降下剤も効きすぎて昏倒の危険性があります。

この辺は慢性疾患の薬が多く、その慢性疾患が酒タバコ暴飲暴食から来ていることが多いです。

つまり、これまた当たり前の話なんですが、薬を飲んでいればいいという話ではなう、生活習慣から修正しないとどうにもならない、ということ。

この辺は診察・処方時に説明を受けているはずなのですが・・・病院で注意されたくらいで生活を改める人はそもそも・・・(以下略w)

スポンサーリンク

お酒と組み合わせると悪酔いする薬

あとはアルコールによって代謝変化が起きることで意外な副作用が出るモノもあります。

例えばセフェム系抗生剤やH2ブロッカー(胃酸を押さえるアレ)はアルコール分解酵素(ADHとALDH)の働きを鈍らせることで、頭痛や紅潮、動悸、頻脈、いわゆる悪酔いを起こしやすくなります。

抗生剤(厳密にはセフェム系抗菌薬)はお酒とあわせると悪酔いするよ・・・というわけです。

逆にお酒を飲むことで分解が促進されることもあり、吸入麻酔の多くは有機溶剤的な性質を持つモノが多く、薬物代謝酵素であるシトクロムP450のCYE2E1を活性化させることで吸入麻酔や頭痛薬として使われるアセトアミノフェンなどの効果を下げる(分解促進)させるなんてこともあるわけです。

またこの辺、詳しくは作用機序が違ったりしてややこしいのですが、深酒した後にアセトアミノフェンを飲んだりすると肝毒性を示すこともあり、危険です。

安易に薬とお酒を合わせて飲んではいけない事例だと言えるでしょう。

スポンサーリンク

著者紹介

くられ
くられ

サイエンス作家、タレント。シリーズ累計20万部の「アリエナイ理科」シリーズを始め楽しい科学書の分野で15年以上活躍。週刊少年ジャンプ連載「Dr.STONE」においては科学監修を務め、フィクションと実科学との架け橋として活躍中。TV番組「世界一受けたい授業」「笑神様」「MATSU」ぼっちの出演や、YouTubeで80万再生を超える科学動画を「主役は我々だ!」と共同製作も。仕事の依頼や関連情報は https://twitter.com/reraku

最新の著書「アリエナクナイ科学ノ教科書2」好評発売中です!

関連記事

アルコールの分解速度

酒税が生み出したミュータント「ストロング系チューハイ」

Jokerの二日酔い対策

料理しながらお酒を飲むのは危ない

鬱とアルコールの関係

タイトルとURLをコピーしました