飲んでも太らないお酒?「糖質ゼロなら太らない理論」の嘘と本当

美容と健康
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初出:2015/06/16 Vol.124 お酒は太らないのか?
改稿:2020/10/06

くられ
くられ

本日はアルコールと肥満にまつわる話をお送りしていく!

Joker
Joker

・・・いやー、耳が痛いですねー。飲んでも太らないお酒とかないかなー。

くられ
くられ

いやー、糖分たっぷりの甘いお酒よりかは、糖類の含まれていない蒸留酒なんかの方がマシはマシかもしれんが。

Joker
Joker

ですよねー。今日は生搾りのレモンサワーにしたんですよ(グビグビ)

くられ
くられ

結局、飲めば中性脂肪が増えるし、一緒に食ったものが贅肉になりやすくなるぞ。

Joker
Joker

・・・ですよねー。でもお酒飲むと食べ物が美味しいんですよね。先生もチキン南蛮とかいかがですか?

くられ
くられ

またそこでハイカロリーなものを(笑)、まあ、食べるけど。後で全体見てバランス取れてればOKだし。

Joker
Joker

何より先生はお酒飲まないですし。私も、今日はこの一杯で終わりにしときます・・・

POKA
POKA

はっはっは。アルコールは熱になって放散していく! であれば、この新開発のバーナー「ファラリス君」で全身こんがり炙れば、実質カロリーゼロだと言えるだろう!

Joker
Joker

言えないですよ! バーナーを持ち出すならそこのしめ鯖を炙ってください!

「糖質ゼロ」のお酒は太らない?

ダイエットの敵のひとつ、お酒。

自分は下戸なのでなんともなんともですが、飲んでも太らない・太りにくいお酒はないかと聞かれる事はたまにあります。

お酒の成分であるエタノール(エチルアルコール)は、人間の体内では分解時に熱が発生するため、発熱という形でのカロリー消費が速やかに行われ、代謝に種々の酵素なども使うため、糖質の含まれていない蒸留酒などは、飲んでも太らないと言われる事があります。

今回は、この「糖質ゼロ」なら太らないのかを科学的に見ていこうと思います。

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「糖質ゼロ」ブーム・糖質を含まないお酒は?

蒸留酒といっても、あとから添加されたり、原材料の成分が残ってる場合は必ずしも糖質ゼロとは限りません。

ただ、いわゆる割りもののベースに使われる焼酎やウォッカなどは糖質が含まれていないので、俗に言う「蒸留酒は太らない理論」のネタにされることもしばしば。

また、昨今のブームに乗っかる形で「糖質ゼロ」を謳うアルコール飲料として、第三のビールとか、チューハイによく見かけるようになりました。

2020年10月の酒税の税率改正もあってか、糖質ゼロを謳うビールも登場しています。

そんなわけで、一部の酒飲みの間で「糖質ゼロの酒だから飲んでも大丈夫」と免罪符のように語られています。

いや、そのビール腹にたっぷり蓄えられた内臓脂肪はどこから来てるんだよ・・・本当のところはどうなのでしょうか?

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アルコールとエンプティカロリー

勘違いしてはならないのは、アルコールにもしっかりカロリーがあるという事。アルコール自体のカロリーは、1gあたり7Kcalほどです。

脂肪が9Kcal、タンパク質が4Kcalであることを考えると結構なカロリーがありますが、先の理屈は、カロリーがあっても熱として消費されるからOK、というもの。

中にはアルコールは「エンプティカロリー」だから、「見た目カロリーがあっても実質ゼロ!」なんて言い張る人もいます。

違います。

これまた勘違いされやすいのですが、「エンプティカロリー」とは「高カロリーだが体に取って良い栄養素を含まないカロリー」を指す言葉です。

熱として消費されるのは事実ですが、「エンプティカロリー」を錦の御旗にするのは誤用も甚だしいのでご注意を。

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肝機能の限界を超えたら容赦なく太る

さて、では実際のところ、糖質ゼロのお酒なら太らないのかどうなのか。

結論から言えば、その人の肝臓で処理できる量の糖質ゼロのお酒だけ飲んでいれば、ほとんどが熱として放散していくので、理論上は太らないように思えます。

が、しかし、肝臓のアルコール処理機能は、通常の代謝機能の一部でもあるので、アルコールが入ってくる事で回路の回転率が下がり、さらに、処理の限界を超えたアルコールは、結果的にグリセリンや脂肪酸の合成に回り、血中の中性脂肪濃度が上がっていく訳です。

脂肪酸とグリセリンは、脂肪の材料。脂肪の神様のジャッジは厳しく、贅肉として付いていくと言えます。

また、現実的に考えると、それだけではすみません。

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アルコールと一緒に食べたものは贅肉になりやすくなる

酒を飲むだけで中性脂肪が増える。

つまり、ここで更に脂質を取ったりすると、体内の吸収可能な脂肪量をあっという間にオーバーしてしまう、という事にもなります。

酒は肥満の原因にもなるし、一緒に食べたものからの脂質も体に溜め込みやすくなる訳です。

たびたび「運動はすべてを解決する」と申し上げており、ちょっとやそっとの不摂生は運動していれば結構なんとかなるんですが・・・運動をしている人でも、酒を好む人ほど内臓脂肪が結構な量になっていることもあります。

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これを踏まえて考えると、飲酒は肥満を亢進する・・・そういう体質の人が多い、と考えておく方が無難です。

適度な量のお酒であれば大丈夫かもしれませんが、計算上、本当に食前におちょこ一杯程度・・・いわゆる食前酒の範疇であれば、ということになってしまいます。

とはいえ、お酒を飲むな、とは申し上げません。飲まないなら飲まないに越した事はないでしょうが、そもそも食べ過ぎれば太るのです。

「〜〜だから大丈夫」的な、都合の良いものはなかった、というお話。何事もほどほどにネ。

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著者紹介

くられ
くられ

サイエンス作家、タレント。シリーズ累計20万部の「アリエナイ理科」シリーズを始め楽しい科学書の分野で15年以上活躍。週刊少年ジャンプ連載「Dr.STONE」においては科学監修を務め、フィクションと実科学との架け橋として活躍中。TV番組「世界一受けたい授業」「笑神様」「MATSU」ぼっちの出演や、YouTubeで80万再生を超える科学動画を「主役は我々だ!」と共同製作も。仕事の依頼や関連情報は https://twitter.com/reraku

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