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人をゾンビ化する恐ろしい新興麻薬「フラッカ」の話

危ない薬
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初出:2023/06/12

くられ
くられ

おやJoker、いいところに。これからゾンビ映画見るんだが、どう?

Joker
Joker

おっ、いいですね。たまにはそういうの見たくなるんですよねー。

くられ
くられ

コーラとポテチは用意してあるぞ。酒は勝手にしてくれ。

Joker
Joker

はーい。勝手にしまーす(ドサドサ)

くられ
くられ

・・・どっから出したの?

Joker
Joker

まあまあ、映画見ましょうよ、映画。

アメリカの低所得者層に蔓延する「フラッカ」という麻薬

最近ちょっと日本のニュースでも「フラッカ」という新興麻薬が話題になりだしました。

MDPVと共に、2010年あたりから流通し出したようで、アメリカの低所得者層に蔓延してエラい事になっている模様。

似た物質の構造式を並べてみるとこんな感じ。系統的にはカチノンと呼ばれるドラッグの系統ですが、装飾されすぎて、かなり効果を及ぼす受容体や代謝系は変化していると思われます。

ということで、今回は、このフラッカについて解説していきましょう。

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フラッカ(α-PVP、”Flakka”)とは何か

「フラッカ」という名称はアメリカでのストリートネーム(流通名)で、化学物質としてはα-ピロリジノペンチオフェノンとなっています。

ただし、近年の新興麻薬の特徴として、複数の成分を混ぜて、効果を高めようとしたり、検出を撹乱しようとしている場合があり、フラッカとして流通している麻薬が、すべてこの成分で出来上がっているというわけではなさそうです。

このドラッグの特徴は、極めて微量で強い向精神作用を持つというところにあります。

その力価は効果が複雑で単純計算は出来ないのですが、コカインの数十倍程度と考えられています。

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フラッカの危険性・ゾンビ化の実際

フラッカは、ごく少量では、コカインに似た万能感、高揚感があり、その次に痛覚の鈍化、本能の暴走を引き起こします。

類似のMDPVに比べると幻覚などは起こしにくいようですが、そもそものドラッグとしての使用量と、危険な副作用を起こす分量が近い事が問題です。

要するに、ラリる量と死ぬ量がすごく近いドラッグと言えます。

危険な副作用の例としては、動画などで乱用者がゾンビのようにのたくり回っている様子を指す、興奮性せん妄に加え、錯乱、痙攣などあり、これらを経て最終的には肺水腫やショック死などに至ります。

そして、このドラッグを作ってるのは素人なので、1回あたりの使用量が何が混ぜられているものか、どれくらい使えばよいのかが不明瞭なまま、ドラッグとして流通してしまっています。

ただでさえ有効量と致死量の間が近いのに使用量が不明瞭なので、分量を間違えた人が、ゾンビ化しているとして動画に撮影されたり、病院に担ぎ込まれたりしているわけです。

経口接種後、効果が出るまで十数分から1時間程度のラグがあるのも、「効き目がないな・・・」といって、追加で接種してしまい、結果としてオーバードーズとなる理由なのでしょう。

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密造サイドから見て都合の良い薬物

この薬物としての効果が強い、つまり少量で効くというのは、密造サイドから考えると非常に魅力的です。

例えば、MDMAは多幸感を感じる(ハッピーにラリる)効果量は約300mg、MDPVは数十mgとも言われています。
一方でフラッカは数mgでも錯乱したという例もあるようで、非常に強いため、製造後、販売単価を安くすることができるということになります。

流通価格は、1回分が数ドル程度になっているようで、最初に触れたように貧困層などを中心に乱用者が増えているようです。

貧困層には娯楽が少なく、現実に絶望が多すぎることからの現実逃避、というのが主な原因で、麻薬中毒者が増えやすい、という背景もあります。

また合成ルートもいくつか調べてみましたが、規制外物質からわりと作ることができるようで、多くの麻薬に見られる面倒な処理が少ないため、比較的合成は簡単な部類です(とはいえ最低限の有機化学の知識は必要で、素人が出来るものではない)。

その結果、安く流通する=貧困層や学生の間で流行る・・・ドラッグ未経験者がいきなり手にすることで、オーバードーズし、事故る。という分かりやすい流れになってしまっています。

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著者紹介

くられ
くられ

作家、科学監修。「科学は楽しい!」を広めるため科学書分野で20年以上活動。著作「アリエナイ理科」シリーズ累計50万部突破。原作を務めるコミックス「科学はすべてを解決する!!」も50万部を超える。著作「アリエナクナイ科学ノ教科書」が第49回・星雲賞ノンフィクション部門を受賞。週刊少年ジャンプ連載「Dr.STONE」においては漫画/アニメ共に科学監修を担当。TV番組「世界一受けたい授業」「笑神様は突然に・・・」NHK「沼にハマってきいてみた」等に出演。ゲーム実況者集団「主役は我々だ!」と100万再生を超えるYouTube科学動画を多数共同製作。独自YouTubeチャンネル「科学はすべてを解決する!」チャンネル約30万登録やTwitterフォロワー16万人以上。教育系クリエイターとして注目されている。関連情報は https://twitter.com/reraku

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