頭が良くなるクスリは実在するのか！？スマートドラッグの効果は？

初出：2016/08/09　Vol.184　スマートドラッグは効果があるのか？
改稿：2022/01/18

ブドウ糖といえば「ラムネ菓子」

実際には効果がない偽薬も薬を飲みたがる患者向けに売られていたりする

頭が良くなるクスリ

たまに「頭が良くなるクスリはないですか？」という相談を受けることがあります。

そこで今回は、頭が良くなるという触れ込みの「スマートドラッグ」について、実際どうなのかという点に触れてみましょう。

スマートドラッグというのは、知能を亢進したり、記憶力を高めたり、思い出す力を増進したりといった効果がある薬ということになっており、一時期のブームは去ったものの、いまだにネットなんかで売られています。

スマートドラッグの実際の効果は？

このスマートドラッグの中でも、代表的なのは、なんとかセタムとかいう類いの、認知症や、アメリカで失読症の治療薬として「使われていた」薬です。

作用機序は不明なのですが、脳の処理を速くしたり、集中力を高めるなどと言われていますが、認知症の治療にはあまりに効果が無いため使われず、開発者自身も知能を高める作用について「そんなものはない」と言われる始末です。

つまり効果はほとんどプラセボの領域・・・要するに「気のせい」レベルです。

効果がないことが証明されている

研究とはそういうものですが、40年近く研究されて出た結論が「なんでもなかった」という話。効果がないことが証明されたという感じですね。

ただ脳の発育途上の１５才以下では、吐き気や頭痛などといった症状が続くという副作用は報告されており、低年齢への使用は禁忌とされています。

他には、イチョウの葉の抽出液、イデベノンなどの脳の血流量を増やすといったもの。ただこちらも、脳の血液の流れが良くなることは観察されているものの、それが知能をアップさせるというまともな実験自体は存在しません。

認知症にも効果があるというのは今となっては過去の話という扱いで、こちらもプラセボ止まりといえます。

「気のせい」は無視できない

また、一部のバソプレシンなどのホルモンは、知能を亢進すると言われており、実際に鼻粘膜から摂取すると、頭がキーンとなるような感覚がして、研ぎ澄まされた感じがあります。これも結局は「そんな気がする」程度な訳ですが。

これらは抗利尿ホルモンでもあり、体の様々な働きのマスターホルモンでもあるので、凄まじく知能がアップするのならともかく、気のせいレベルの効果のために無闇矢鱈に体に入れるのは考え物でしょう。

こういった話を踏まえると、「頭が良くなる」、つまり知能が高くなる、ということに関しては、集中力を上げて、プラセボ効果が120%出ることが大事なのです。

非合法薬物と頭脳労働

そうなってくると、じゃあ効果的なのは何かというと、それは「覚醒剤」・・・なんて結論になってしまいます（笑）。

こうした麻薬類の台頭で、実際に多くの頭脳労働者が覚醒剤に手を出すわけで、つい最近でも、霞ヶ関のキャリア官僚が逮捕された事件もありましたね。

タイなどの薬剤の法律が緩い国ではアンフェタミンの錠剤などを薬局で買って受験勉強みたいなのがメインになっていることを踏まえても、「安全で頭が良くなるクスリなんてない」と考えておくのが無難かと思うわけです。

効率良く勉強・仕事をする現実解

と、これで終わってしまうとちょっと「なんだよ」という感じなので（笑）。

効率良く勉強や仕事をしたいなら、集中力を高める環境を作ってやれば、多少なりとも効果はあるでしょう。

個人的には、ホームセンターで売っている遮音ヘッドホンや、高級モデルのノイズ打ち消しにによる静音を作るヘッドホンやイヤホンなんかは、雑音をカットしてくれるので、集中して作業したい時には良いものだと思います。

特に高級ヘッドホンは電話の音や人の声だけを判別して聞こえるようにするという機能があったりするのでオススメです。

お悩み相談「頭が良くなると言われるスマートドラッグって効くんですか？」

冒頭でも触れたように昔から「頭が良くなるクスリ」については相談を受ける事がしばしばあり、お悩み相談動画でも触れる事になりました。

まあ、結論についてはこの記事で触れた通りです（笑）

開発者自身が「効果があるなら俺が飲んでる」って話ですし、みんな飲むでしょう。そうなってないということは、今のところそんな都合の良い薬は存在しないという話なのです。

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