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体に「良い油」「悪い油」とは何なのか?:第三回 油と美容・健康

美容と健康
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初出:2018/09/04 Vol.292 体に良い油 悪い油 ってなんなのか? 第3回

くられ
くられ

というわけで、食べて良いから肌に塗っても良い、なんていうことはない。

Joker
Joker

未精製の成分がどう悪さするかわからん、という奴ですね。食べる分には良くても。

くられ
くられ

そうそう。そもそも、良く悪玉扱いされるトランス脂肪酸だって絶対悪じゃないしね。

Joker
Joker

結局は個人の体質による・・・と、何でも善悪二つに分けられる訳じゃありませんね。

POKA
POKA

話は聞いていた!やはり油といえば炎だろう!ファイヤー!!

くられ
くられ

ギャー!

※ずっと出待ちをしていたようです。次逝ってみよう!

オリーブオイルは体に良い?

さて、前回前々回と、油についてだいたい軽く話をした上で、美容に良い・悪い油ってなんなのか、という話に入るわけです。

健康に良いと言われている油にオリーブオイルがありますね。オレイン酸が多く含まれており、オレイン酸は、代謝しやすく、熱になりやすい油であり、さらに抗酸化作用などもあって「健康に良い油」の成分として代表的に紹介されています。

ただ、別にオレイン酸が健康にいいから・・・といってオリーブオイルだけにする必要もなく、菜種油にもひまわり油にも米油にも含まれていますし、そもそも必須脂肪酸でもないので、異常に強調してオリーブオイルが健康に良いという話にもっていくのは無理があります。

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食べて良いから肌に良いとは限らない

また、オリーブオイルの中でもひときわ味の良い、エクストラバージンオリーブオイルは飲んでよし、塗ってよし・・・みたいな話をたまに美容系サイトで見かけますが、飲んで良いものは塗っても良い・・・とは一概に言えません。

特にエクストラバージンは精製されていないので、食べる分には問題のない未精製な成分が太陽光などを浴びてどんな物質になるのか検討もつかないです。

基本的に二重結合が多い脂肪酸ほど紫外線で分解変成することで、良からぬものになってアレルギーの原因物質などになる可能性のほうが高いといえます。化粧落としなら、それこそ精製された化粧品グレードの流動パラフィンに勝るものなしです。

そもそも肌を植物油で保湿するというのはあまり良いことではありません。皮膚の常在菌が植物油をそれほどうまく利用できるかというとかなり疑問です。肌の正常な保湿というのは、皮脂の正常な分泌に、それをちゃんと利用して、常在菌が快適な適度な保湿ができるように肌自体が常在菌とあわせて作るものです。

なので自分の化粧水の説明では、乳液(油入りの化粧水)は不要としているのは、そのせいです。乳液をつけないと乾燥してしまうような肌は、バランスが崩れているので、皮膚科で薬をもらってくるか、食生活などを改善するべきなのです。

この辺は何度も解説しているので、以下の記事を見てみてください。

【スキンケア】ヘルドクターくられ推薦・自作化粧水の詳しい作り方
あちこちで話題に出しているので、すっかりお馴染みになってしまった自作化粧水。今回は、美容における化粧水の役割と、なぜ自作が良いのか、そして作り方を改めておさらいしていこうかと思います。化粧水の手作りは簡単ですし、スキンケアに活かしましょう。
【スキンケア】乳液は原則不要!顔の皮脂による保湿力を高めよう!
乾燥が気になる季節といえば冬です。しかし、湿度が多い時はともかく、涼しくなってくると紫外線は減るものの、肌のカサつきが気になる方も多いでしょう。今回は乾燥肌について、そして、原則的に乳液は不要である事について解説していきます。

トランス脂肪酸は絶対悪ではない

最後にトランス脂肪酸です。不飽和脂肪酸を人為的に飽和脂肪酸にすると、二重結合の部分からねじれが発生して、自然には非常に少ない(存在しないわけではない)形の油になります。

人工的なモノなので、プラスチックオイルとか腐敗しないとかいろいろな都市伝説がありますが、そもそも油は常温保存でそうそう腐るものではないので、トランス脂肪酸だから腐らないというのは語弊があります。

とはいえ、あまり大量に摂取することは、健康的に良くないというのは多くの実験で確認されており、それに関しては疑問を挟む余地はありません。ただ、トランス脂肪酸を絶対悪にして、絶対排除みたいな流れ自体はただのスケープゴートとしての利用でしかありません。

トランス脂肪酸はその安価かつ安定した性質から、夏場のチョコレート菓子の安定性を高めたり、冷凍焼けを防ぎ冷凍食品の味を劇的に良くするなどの貢献もしています。

また、一般的な食事では、そもそもトランス脂肪酸が危険な量に達することのほうが難しいくらいなのでそれほど懸念するような話でもないと自分は思います。

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結論:結局は体質によりけり

というわけで、健康に「良い油」というのは体質によります。人によっては特定の油でおなかがゆるくなることや、ニキビができやすい、肌荒れが起きるなどのいろいろな差があります。

そもそも「食用油」というのは、人類の歴史上でたかだか2、3千年の付き合いしかないわけで、つい100年前くらいまでは高級品でした。人間の生物として、ここまで大量の油と接する今でこそ、使用量を少なくしていき、自分の健康にあった油はどれなのか、自分をよく観察して、見極めることが大事なのではないかと思います。

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手荒れの防止にはココナッツオイルが良い、という記事があります。

手荒れ防止にココナッツオイル:ひどい乾燥肌なら皮膚科へGO!
「手荒れ防止にはココナッツオイルがオススメ!」とかいうと、女性誌にさもありそうな感じですが(笑)。試してみた感じ、ココナッツオイルはなかなか良さげなので紹介する次第。もちろん人によって向き不向きはあるので、その点はご注意くださいね。

ただし、記事でも触れられている通り、肌質というのは人それぞれなので、合う、合わないはどうしてもあります。

また、普通に買うと大変高く付くマッサージオイルの自作については以下の記事もどうぞ。

マッサージオイルは高すぎる!?自作にチャレンジしてみよう!
買うと高くつくマッサージオイル。しかし、成分的には意外と簡単に自作ができます。お手軽に高級オイルを再現して、ご家庭でオイルマッサージをしてみましょう。

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