【湿布の科学】温湿布/冷湿布の区別より痛み止め成分に注目しよう

生活と科学
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初出:2017/04/18 Vol.220 温湿布/冷湿布 どちらがいいのか?
改稿:2019/07/06

Joker
Joker

先生、日頃のデスクワークのせいか、目、肩、腰にガタが来ているんですが、良い湿布とかないですかね?

くられ
くられ

運動しようよ。運動はすべてを解決するよ?

Joker
Joker

いやその、それは重々承知しているんですが、対症療法的なサムシングをいただけないですかね?

くられ
くられ

まあ、運動して筋肉痛になったり傷めたりすることもあるから、塗り薬とか湿布とか、成分の話をしていこうか。

POKA
POKA

そんなに肩が凝っているというなら、この地殻爆災絶対微塵化マッサージチェアを試してみるが良い!

Joker
Joker

最終的にハンマーで光にされそうなマッサージチェアは勘弁してください!

湿布で大切なのは痛み止め成分

過度の運動によって筋肉痛や、関節炎が出ている場合に使われるのが湿布薬。

湿布薬は、温湿布と冷湿布がありますが、実際は「暖かく感じる、冷たく感じる」物質が含まれている差であって、有効成分とはあまり関係がありません。

とはいえ、温湿布は血行促進作用などもあるので、炎症が起きて熱を持っている場合は冷湿布、特に熱をもっていない場合は温湿布程度の区別で十分といえます。

この仕組みは簡単で、温湿布は唐辛子の成分(カプサイシン等)で暖感を持ち血行を促し、冷湿布は、メントールなどの冷感成分で冷たく感じさせているだけです。実際に冷やしているわけではありませんが、ゲルが分厚い商品が多いのでゲルが吸熱することで実質的に冷やすというものです。

大事なのは、その痛み止め成分で、サリチル酸メチル(サリチル酸グリコール)などのエステル、インドメタシン、フェルビナク、ケトプロフェン、ロキソプロフェン、ジクロフェナクなどがあります。むしろ湿布を選ぶ際はこの成分の方が重要です。

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痛み止め成分あれこれ

サリチル酸エステル

サリチル酸エステルは古い消炎剤の一種で、頭痛薬でも有名なアスピリン(アセチルサリチル酸)の外用版といったものです。

これといって強い毒性もないのですが、皮膚が敏感な人は温湿布の場合にかぶれや痒みを感じる人がいるようです。とはいえ、これはすべての湿布にいえることなので、サリチル酸エステルが悪いというわけではありません。効果は弱いですが長期的に使っても副作用が出にくいという点が優れます。

商品でいうと「サロンパス」「サロンシップ」などがそうです。

成分を見れば、サロンパスは「サリチル酸メチル」、サロンシップは「サリチル酸グリコール」という形で含まれているのがわかると思います。その他の製品の場合も、裏書きの成分のところを見るようにしましょう。

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インドメタシン

インドメタシンはある程度即効性のある成分で、昔は内服薬にも使われていたのですが、消化器系に対する副作用が強く、現在は塗り薬(外用剤)としての利用が大半となっています。

短期的に使うには良いのですが、長期的に使うと皮膚からゆっくりと吸収された成分が体にもまわることで、胃腸障害などを起こすことがあるので長期の使用に関しては注意が必要です。

このように塗り薬、湿布として売られており、有効成分としてデカデカと書かれている事が多いのでわかりやすいでしょう。

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フェルビナク

フェルビナクも同じで、個人差もありインドメタシンと作用機構も同じため、どちらの成分が良く効くかというのは不毛な感じです。副作用や注意点もほぼインドメタシンに準拠するので、長期の使用には注意が必要という感じです。

フェルビナクは若干、気管支系の副作用が出やすいので、喘息などの気管支疾患を持っている人は、病院で相談しましょう。

こちらもインドメタシン同様、塗り薬と湿布として販売されています。

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ケトプロフェン

ケトプロフェンは、ケガや捻挫で病院にいくと処方されることの多い湿布薬によく使われており「モーラステープ」というちょっと高級感のある湿布をもらった経験のある人もいるかとおもいます。

ケトプロフェンは光過敏症を起こしやすいので、湿布薬を貼っていた部位に強い光(紫外線)があたることで、突然酷い炎症がおきる症状で、使用後数週間たってから起きた例もあるので注意が必要です。

薬局売りの市販品にも、このようにケトプロフェン配合の湿布があります。

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ロキソプロフェン

今や薬局薬の定番鎮痛剤として君臨するロキソプロフェンはOTCになる前は劇薬指定でした。そのくらい強力な薬であり、ステロイド以外ではかなり強めの炎症を抑える作用がある薬といえます。

貼り薬もありますが、ロキソニンの上位互換ともいえるジクロフェナク(有名な商品だとボルタレン)の貼り薬がすでに出ているので市販化されるかどうかは微妙です(笑)

ともあれ、飲み薬として痛み止めに使う人も多いかと思いますが、胃を荒らしにくいとはいえ胃粘膜を痛めやすい(粘液分泌を押さえてしまうので)説明書通りの用法用量で使うことが重要です。

また感染症などの炎症には原則慎重使用(悪化に気づけなくなるため)ので素直に病院で見てもらいましょう。

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ジクロフェナク

ジクロフェナクは、非ステロイド系の汎用薬の中では最強の成分で、強い痛み止め、炎症を抑える作用があります。

薬局では、ボルタレン貼り薬などが売られています。貼る程度ではほとんど血中には吸収されないので穏やかですが、飲み薬は胃をけっこう荒らします(飲み薬は市販薬にはなっていません)。

腱鞘炎などの比較的軽い炎症にはよく効きます。この成分に限ったことではないですが、使用中、使用後に皮膚に発疹や発赤を生じたり、かゆくなったりした場合は、使用をやめて、長引くようであれば医師に相談しましょう。

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内服薬との相性にも注意

このようにいずれの薬も、メリットデメリットがあり、思わぬ内服薬との相性もありますので、貼り薬だからという思考停止はやめて、内服薬と同じように注意深く自分を観察することが大事と言えます。

ちなみに、筋肉痛を抑える薬を使うと、筋肉の再生時に筋肉が育たないという根性論が存在しますが、生理学的に見ると差はないと考えるのが主流です。

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