【湿布の科学】温湿布/冷湿布の区別より痛み止め成分に注目しよう

生活と科学
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初出:2017/04/18 Vol.220 温湿布/冷湿布 どちらがいいのか?

湿布で大切なのは痛み止め成分

過度の運動によって筋肉痛や、関節炎が出ている場合に使われるのが湿布薬。湿布薬は、温湿布と冷湿布がありますが、実際は「暖かく感じる、冷たく感じる」物質が含まれている差であって、有効成分とはあまり関係がありません。
とはいえ、温湿布は血行促進作用などもあるので、炎症が起きて熱を持っている場合は冷湿布、特に熱をもっていない場合は温湿布程度の分けで十分といえます。

この仕組みは簡単で、温湿布は唐辛子の成分(カプサイシン等)で暖感を持ち血行を促し、冷湿布は、メントールなどの冷感成分で冷たく感じさせているだけです。実際に冷やしているわけではありませんが、ゲルが分厚い商品が多いのでゲルが吸熱することで実質的に冷やすというものです。

大事なのは、その痛み止め成分で、サリチル酸メチル(サリチル酸グリコール)などのエステル、インドメタシン、フェルビナク、ケトプロフェンなどがあります。むしろ湿布を選ぶ際はこの成分の方が重要です。

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サリチル酸エステル

サリチル酸エステルは古い消炎剤の一種で、頭痛薬でも有名なアスピリン(アセチルサリチル酸)の外用版といったものです。これといって強い毒性もないのですが、皮膚が敏感な人は温湿布の場合にかぶれや痒みを感じる人がいるようです。とはいえ、これはすべての湿布にいえることなので、サリチル酸エステルが悪いというわけではないです。効果は弱いですが長期的に使っても副作用が出にくいという点が優れます。

インドメタシン

インドメタシンはある程度即効性のある成分で、昔は内服薬にも使われていたのですが、消化器系に対する副作用が強く、現在は塗り薬(外用剤)としての利用が大半となっています。
短期的に使うには良いのですが、長期的に使うと皮膚からゆっくりと吸収された成分が体にもまわることで、胃腸障害などを起こすことがあるので長期の使用に関しては注意が必要です。

フェルビナク

フェルビナクも同じで、個人差もありインドメタシンと作用機構も同じため、どちらの成分が良く効くかというのは不毛な感じです。副作用や注意点もほぼインドメタシンに準拠するので、長期の使用には注意が必要という感じです。
フェルビナクは若干、気管支系の副作用が出やすいので、喘息などの気管支疾患を持っている人は、病院で相談しましょう。

ケトプロフェン

ケトプロフェンは、ケガや捻挫で病院にいくと処方されることの多い湿布薬によく使われており「モーラステープ」というちょっと高級感のある湿布をもらった経験のある人もいるかとおもいます。ケトプロフェンは光過敏症を起こしやすいので、湿布薬を貼っていた部位に強い光(紫外線)があたることで、突然酷い炎症がおきる症状で、使用後数週間たってから起きた例もあるので注意が必要です。

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内服薬との相性にも注意

このようにいずれの薬も、メリットデメリットがあり、思わぬ内服薬との相性もありますので、貼り薬だからという思考停止はやめて、内服薬と同じように注意深く自分を観察することが大事と言えます。

ちなみに、筋肉痛を抑える薬を使うと、筋肉の再生時に筋肉が育たないという根性論が存在しますが、生理学的に見ると差はないと考えるのが主流です。