天然・自然だから安全安心とは限らない:安全性の高い合成成分

生活と科学
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初出:2018/12/25 Vol.308 安全性の低い天然成分と安全性の高い合成成分
改稿:2022/02/23

Joker
Joker

先生、今回はオーガニック(笑)の話ですか?

くられ
くられ

こらこら、(笑)とか付けない。天然とか合成とかってよりも自分に合うかどうかが大事なのだよ。

Joker
Joker

つまり、「人の言うことを鵜呑みにするな」「自分で考えろ」って事ですね。

くられ
くられ

その通りである!・・・(キョロキョロ)

Joker
Joker

・・・? どうしたんですか?

くられ
くられ

そろそろオチの時間なので警戒態勢Pで・・・

POKA
POKA

・・・チッ!

「無添加」「天然成分」だから安心?

あれやこれやの商品の宣伝でよく使われるフレーズってありますよね。

たびたび見かけるのが「天然成分だから体に良い」「合成品を使っていません」「無添加!(何が無添加なのか不明)」なんてうたい文句です。

化粧品をはじめ、謎に寿司までいろいろなところで、こうした言葉が使われている次第。

当たり前のことなんですが、天然だから自然だから安全安心かというとそんなことはまったくないわけです。

ウルシとかトリカブトとか知ってる? って話なのですが(笑)、そういう煽りはさておいて。

今回はその辺を、科学的に見ていこうと思います。

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「天然由来の方が安心できる」という心情

この手の宣伝文句は、まず「合成品が悪」と言わんばかりで、「天然由来の成分のほうが安心できる」という心情から来ています。気持ちはわからなくもないです。

例えば、天然の植物ホホバ科(シモンジア科)の実からとったホホバオイル石油から精製して得られた流動パラフィンでは同じ無色透明な油で触った感じも同じです。

量で比較するとホホバオイルの方が数倍は高く、高級品って感じがしますね。

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合成品と天然品、どっちを選ぶ?

この状態で、どちらが入っている化粧品を選ぶか、と言われたら、文系だろうが理系だろうが、天然素材であるホホバオイルの方を選んでしまいそうな気はしますね(笑)。

こういう場合にまで分子構造までイチイチ考えている人ばかりではないでしょうし。

実際、ホホバオイルのほうが角質への浸透は多少高いらしいです。

しかし、そもそも角質が油脂不足になっている状況、乳液をつけないといけない状況というのは肌のバランスが崩れています。

肌にオイルを付けなければならない状態そのものが良くないのです。

なので、ここにお金をかけるより、皮膚科にいって適切な薬をもらって改善した方が良いというのは以前から何度も話をしているところです。

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流動パラフィンやワセリンは赤ちゃんの肌に使っても安心

分子構造的にみれば、完全に精製された流動パラフィンはグレードによってはベビーオイルとして赤ちゃんの肌に使っても安心なぐらい精製されています。

また保湿剤として使われるカルボマーやワセリンも同じ石油由来です。

実際、乳児の食物アレルギーを防ぐために、離乳食やおやつを食べさせる前に口元にたっぷりとワセリン(プロペト)を塗ると良いそうです。

外部の記事となりますが、以下の乳児の卵アレルギーとワセリンについての話が参考になるかと思います。

卵アレルギー!?~卵ボーロや卵系お菓子で口の周りが赤くなったお話~ : 鹿ログ
漫画家の青鹿ユウ(@buruban)です(´▽`)はじめましての方はこちらの人物紹介どうぞ前回の記事はこちら↓明けましておめでとうございます~!本年も鹿ログ、ふうふう育児宜しくお願いいたします(´▽`)新年お年玉ゲストにお越しいただけました…!と、いうことでビックゲ

※リンク先でも触れられていますが、小児アレルギーに関しては、「掛かりつけの小児科にまずは相談してから」が鉄則。個別の事例については医師の判断をまず仰ぐべきです。

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天然=体に良い、とは限らない

一方で天然物はというと、例えばホホバオイルもオリーブオイルも、日光で変質を起こすこともあります。安定性が精製された油よりも良くないのです。

科学的に説明すれば、これは、どちらも二重結合を多く持ち、日光などでそこから分子構造が変わったり、千切れて変な脂肪酸が出来上がったりするから、ということになります。

このように必ずしも安定した素材ではないと言え、肌にめっちゃ合う人もいるし、めっちゃ合わない人もいます。

また複雑な成分になると、天然由来の抽出工程で余分な成分を含有してしまったり、アレルゲンを排除しきれないことなどもあり、天然=なんでも体に良いというのはやはり信じるべき言葉ではありません。

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鵜呑みにせずに「自分に合うか」を考える

結局は、精製度や使い方の問題で、天然か合成かはどうでもよくて、商品自体を実際に使ってみて、その変化をよく自分で観察して「自分には合っているか?」ということを自分で考えることが大事です。

「あの人が言ってるから良い」「あの会社なので良い」というのはあくまで参考にする程度で、短絡して考える事をやめてしまうと、思わぬ穴に落ちることになるわけです。

例えば初めて使う化粧品やシャンプーなどは、3日〜2週間くらいで影響は見えてきます。

故に、初めて使う商品には使い始めた日をマジックで書いておくだけでいいのです。そうすれば、もし謎の肌荒れが起こったらそれの原因を究明するのが「見える」ので、絞りやすくなっていきます。

人の体質、肌質は人によって全然異なります。それ故、日用品選びというのは自分との対話がめっちゃ大事なのです。

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夜子先生の「無添加天然由来」へのツッコミ

なお、主としてシャンプーの話になりますが、動画「ドヤれる科学リテラシー」にて、夜子先生がこの「無添加」についてツッコミを入れています。非常にキレッキレでわかりやすいのでこちらもあわせてどうぞ。

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著者紹介

くられ
くられ

作家、科学監修。「科学は楽しい!」を広めるため科学書分野で十数年以上活動。著作「アリエナイ理科」シリーズ累計30万部突破。著作「アリエナクナイ科学ノ教科書」が第49回・星雲賞ノンフィクション部門を受賞。週刊少年ジャンプ連載「Dr.STONE」においては科学監修を担当し、フィクションと実科学との架け橋として活躍。TV番組「世界一受けたい授業」「笑神様は突然に・・・」NHK「沼にハマってきいてみた」等に出演。ゲーム実況者集団「主役は我々だ!」と100万再生を超えるYouTube科学動画を多数共同製作。独自YouTubeチャンネル「科学はすべてを解決する!」登録者20万人突破。Twitterフォロワー13万人以上。教育系クリエイターとして注目されている。仕事の依頼や関連情報は https://twitter.com/reraku

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