初出;2018/06/05 Vol.279 ねるねるねるねの魔改造
ねるねるねるねの魔改造
以前、科学動画で紹介した、魔改造ねるねるねるね。
具体的にナニを入れたのか気になっている方も多いようなので、ここでひとつ、ネタばらしをしていこうと思います。
1.5番の液:バタフライピー抽出液
ブルーマロウとも呼ばれる青い花で、青いお茶として知られていますが、アントシアニン系色素でpHで変色するという働きがあります。通販などで安く買えます。少量の水で湿らせてしばらくしてから絞るとヤバいくらい濃い色素が取れるのは・・・動画を見てもらえばおわかりですね(笑)。
ちなみに酸による変化は、レモン汁などを注いでも良い訳で、それを利用して色の変わる飲み物を、というのも面白いです。色々応用して試してみてはいかがでしょうか。
1.7番の粉:重曹
ねるねるねるねは、グアーガムなどの増粘多糖類(ネバネバ成分)とデンプン質(ベース)と水でねっちりしたものになるところに重曹が入っています。で、マシマシにするために動画では追い重曹を入れた次第です。この重曹が、2番の粉に含まれる酸と反応して炭酸ガスが発生し、それが粘性の高い基剤に捕まって発泡状態となります。また、酸が入ってpHが変化するため、中の着色料が変色を起こし「色が変わって・・・へっへっへ」という仕組みです。
2.5番の粉:クエン酸(動画では酒石酸)
さて、2番の粉のパワーみをアップさせるために、2.5番の粉としてさらに酸を追加します。クエン酸で十分かとも思ったのですが・・・動画ではより凶悪な酸味を味わってもらうために、さらに酸っぱさマシマシの酒石酸を使いました。その割にうつ氏のリアクションが薄かったので中和してマズくなっただけかと思った・・・んだけどそうではなかった・・・悶絶ものに酸っぱい!
素晴らしき知育菓子
改めて振り返ると、
重曹+酸で発生した炭酸ガス&ネバネバ基剤でシュワシュワ発泡、さらにpH変化で着色料が変色
という仕組みです。科学的には非常に簡単ですが、少量の水をいれるだけで誰でも簡単にしかも安定的にねっちりした質感を出すというのはまさに職人芸で、知育菓子としての本懐は実はそこだったりします。
お菓子もそういった意味で、どうやってこのお菓子が成り立っているのか・・・を考えると意外な発見があるかもしれません。