初出:2015/04/28 Vol.117 アイプチの科学
改稿:2019/08/17

今回はアイプチの成分と整形についてですか、先生。

うむ。接着成分はまあ安全だが、あんまり無理に接着し続けると炎症起こしたり皮膚が伸びたりするんだよね。

となると、ちょっと二重にする程度の「プチ整形」も選択肢として考えてみよう、と。

メスを使わない方法もあるしね。毎日毎日ボンドをまぶたに塗り込むより健康的かもしれんよ。

はっはっは。そもそも接着力が弱いからしょっちゅう使わなければならんのだ! 簡単には剥がれない超強力な接着剤を持ってきてやったぞ! 何、人体に害はないはずだ。試してないけど!

自分は目がないから、残念だが被験者にはなれないなぁ〜〜(チラッチラッ)

いや、目がないのに器用にチラ見するの止めてくださいよ・・・

何、これをちょっと塗ってピタッと止めればOKだ。大人しく・・・おおっと手が滑ったー

意図的! 今、意図的でしたよね! まぶたが張り付いちゃって目を閉じられないんですが・・・目、目がぁ〜〜!!

いやー目が多いと大変だなぁ〜〜
アイプチの科学
女性の目を大きく見せたいという願望から、1998年あたりからじわじわと増えてきて、今やメイクの定番アイテムともなっているアイプチ。
原理は簡単で、まぶたに糊をつけて、二重のクセを強制的に付けて目をぱっちりみせるというもの。
派生して様々な種類のものも出ており、中にはテープで貼るタイプのものも。より彫りの深い印象の目を作ることができるようになっています。
さて、そんなアイプチですが、製品にもよりますが、要するに「接着剤」を使っている訳です。
今回は、接着に使われている成分を科学的に見ていきましょう。
アイプチに使われている接着成分
さて、気になるアイプチの接着成分。
これは酢酸ビニル系のボンドになります。ぶっちゃけてしまうと、木工用ボンドと大差ありません。
こういう風な物言いをすると「えー」と思われるかもしれませんが、まあ、木工用ボンドも人間には大して害のないものなので、それ自体が何か悪さをするということはないと言っていいでしょう。
というか、問題があったら、今頃は健康被害が続出して販売停止になっているでしょうし。今もバッチリさまざまな類似品が出ているので大丈夫です(笑)
問題があるとすれば慢性的な利用
とはいえ、まったく問題がない、という訳でもありません。
なにせ、まぶたという皮膚の薄い場所に対して、接着剤を貼り付けて何度も無理なテンションをかけている訳ですから、慢性的に利用し続けるのは健康的とはとても言えません。
テープで貼るタイプも、その成分はポリイソブテンと、ゴキブリホイホイ並の強力接着剤ですから、何度も何度も使っていると、皮膚が伸びてしまいます。
中には、炎症を起こしながらも毎日傷口にボンドを塗り込んで無理矢理二重にしているような痛々しい例もあるのですが、そこまで無理をするのであれば、正直、美容整形で手を加えた方が健康的と言えます。
美容整形も選択肢のひとつ
まあ、そうは言っても整形はなー、という事で、アイプチみたいなアイテムが流行る訳ですが・・・
美容整形というと恐ろしい印象ですが、二重にする程度であれば、よほど芸能人のようなぱっちり目にする以外であればメスも使いません。
代表的なのは埋没法という極めて細い糸でアイプチのごとく皮膚自体を止めてしまうというもので、費用も数万円程度、時間は30分程度というもの。数日は目の周りが腫れますが(腫れない人も多い)、3日目からはメイクも可能になるものです。持続は数年〜十数年ほど。
手を加えて顔の形を変えるというのに抵抗を持つ人もいますが、そもそも加齢などで人の顔は常に変わるものなので、加齢で二重になる人もいますし、それほど深刻に考えるような問題でもないと思います。
副次的な作用として二重になると眼性疲労からくる肩こりが低減されるというのもあり、デスクワーカーが、肩こりを軽くするために二重にしたなんて話もあります。
いずれにせよ、糸をつかってパパっと縫う方法から、大規模に切開して縫うものまで様々なので、そうした美容外科を一度訪ねて聞いてみると、案外「美容」にかける時間も費用も安く付くかもしれません。
様々な選択肢を思い込みやあやふやな情報で判断せず、自分の目で見て、調べて納得するまで考えるというのが大事です。
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