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「食品添加物の発がん性」のカラクリ:実態はただの霊感商法!

美容と健康
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初出:2018/01/09 Vol.258 発がん性という言葉
改稿:2019/12/17

Joker
Joker

先生、「発がん性物質」ってどのくらいヤバいんですかね?

くられ
くられ

微量で発がんする物質があったら抗がん剤の研究者が大喜びするよ(笑)。食品添加物に関しては気にしないでOK。

Joker
Joker

あーまー、そりゃそうですよね。タバコとかバカスカ吸ってても、ガンになりやすくはなっても、ならない人もいるわけですし・・・

くられ
くられ

狙ってガンを作るのは難しいってことだよ。問題なのは、ありもしない危険性を煽る度し難い連中がいることだな。

Joker
Joker

誰だってガンにはなりたくないから、怖がらせてカネをむしるわけですか。

くられ
くられ

霊感商法みたいなモンだよ。確信的にやってるからタチが悪いったらない。

Joker
Joker

踊らされて「健康のためなら死んでもいい」ってなるのはちょっと・・・

「発がん性」という言葉の再確認

ガンは多くの年齢層で死因のトップを占めている、非常に怖い病気です。

100%治らないわけではありませんが、不治の病というイメージの代表格でもあります。

誰もが恐れおののくモノなだけに、ガンをネタにアコギな商売をしている連中も山ほどいて、それに踊らされる人たちも残念ながら少なくありません。

とりわけ、ガンを誘発するという「発がん性」という言葉は、なんか一人歩きしている気がするので、改めてその辺の知識を確認しましょう。

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発がん性物質とは?

発がん性物質。

この言葉には大きく分けて、二つの意味があります。

一つは、遺伝子などの変異を起こして、実際にガンを誘発することが出来る物質。これを「起発がん物質(イニシエーター)」と呼びます。

二つ目が、遺伝子には悪影響は及ぼさないが、細胞などを損傷させることで機能異常を起こし、発がんを促進する物質というもの。「促発がん物質(プロモーター)」というものです。

この二つの働きを両方持つものを「完全がん物質」なんて呼んで三つ目の発がん物質とすることもありますが、ややこしくなるので二種類で覚えておけばOKでしょう。

定義と呼べるモノを再確認したところで、肝心の「発がん性物質によってどの程度、実際にガンが誘発されるのか」を見ていきましょう。

当たり前のことですが、どの程度、発がん性があるのか、これを知っていなければ意味がありません。

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食品添加物の発がん性テスト

発がん性物質というと、槍玉に挙げられやすいのが食品添加物です。

食品添加物が認可を受ける前には、発がん性があるかどうかのテストが行われます。このテストの結果を引っ張り出してくる連中が多いので、実情をしっかりと確認しましょう。

発がん性テストは、だいたい数十匹の発がんしやすい系統のラットに対して、普通にしてたらまず摂取しきれないような、割と笑えるくらいの分量を1年半から2年、長ければ3年ほど投与し続けます。

この投与期間の後、発がん、ないし腫瘍ができたとか、こういう毒性が出たなんてデータが取られるわけです。

端的に言えば、毒性や発がん性が出るまでアホほど大量に摂取させて「悪影響が出る分量」を調べている次第。

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確信的に読者を騙すタチの悪い詐欺師の本

従って、食品添加物の毒性なんかを煽るアホの書いた本なんかに書いてある「XXを投与されたマウスは腫瘍が発生し」みたいな話は、まったく信用に値しません。

だって、何か問題が出るまで分量を増やして投与しまくって、その分量で毒性がようやくでることが「確認できた」ときのデータだもん。

その添加物だけを大容量かつ長期にわたって摂取した結果が、ちょっと食べただけで出るなんてあり得ません(笑)。

水や塩だってとんでもない量を摂取したら死ぬしね。

だからあの辺の話や添加物喰うと死ぬみたいな本は読むだけでアホになると言うわけです。しかも大半が確信犯で書いてるのでタチが悪い。「量」の概念を意図的に無視した霊感商法みたいなもんです。

量の概念を意図的に無視して嘘の危険性を叫ぶ詐欺師か、量の概念が理解できないマジモノの真性アホかどちらかであると演繹的結論がでるわけです。これをアホになる本と言わずしてなんと表現すればよいのか・・・ということですね。

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微量で発がんする物質があったら研究に使われている

閑話休題、話を戻すと発がん性に関しては、そうそう微量であっというまに発がんするような物質はありません。

むしろ、そんな発がん性物質があれば、抗がん剤の研究者が狂喜乱舞して喜びます。

抗がん剤の治療の実験のために、どれだけ時間をかけて生かさず殺さず毒を投与してラットをガンにしているのか、あまりに知られていません(笑)。

だいたいとんでもない発がん性物質の塊であるタバコを吸っている人が、ガンの率が高いとはいえ、この程度なのか・・・というのは人間はとりわけ毒物に強い、発がん性物質にも強いという特徴から来ています。

ましてやそれだけ発がんは難しいのに、それが地下水に入ってるからとか(地下水そのまま飲むんかよw)とか、合格祈願の砂に含まれる・・・とかそういうのがニュースになるたびに、毒性科学者は眉間を押さえるわけです。

サクッっと殺す毒はいくらでもある。ただ、狙ってガンを作るのは難しい。

発がん性物質といわれているのは、その程度のもので、交通事故にあうかもしれないというレベルの「確率」の一つでしかないという認識で十分でしょう。もっと知りたい・・・というひとは、毒性学の専門書を是非読んでみてください。

もちろん排気ガスやタール中に存在する強い発がん性物質などもありますが、食品添加物の発がん性に関しては完全にギャグとして考え、それ以外の化学物質の毒性に関しても発がん性というのはあくまで確率をあげる毒性であり、触れると速やかにガンになるとかそういうものではないという正しい認識を持ちましょう。

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