初出:2015/08/11 Vol.132 俺日記

・・・こうクソ暑いとかつて出くわした事件を思い出すな。

ええー・・・毒ガスですか? 爆発ですか? 死人は何人ですか?

誰も死んでないよ(笑)、今回ばかりはそんな物騒な話じゃない。

・・・ということは、コメディですか?

まーそんな感じ。今回と次回は全編が茶番みたいなモンだね。

たまにはいいんじゃないでしょうか?
ある夏の日暮れ、カレー屋にて・・・
ある夏の日、夕方の微妙な時間。カレー屋でお持ち帰りメニューを頼んだ時の話。
その店はインド人が経営者で従業員もインド人。
5人のインド人従業員と、日本人唯一の自分の6人の店内での出来事である。
暑い中、暇な時間に来てくれたことを労って、従業員さんが氷をたっぷり入れた冷水を出してくれる。
お礼を言いつつ「今日はアツイデスネー」なんて世間話をしていると、いきなり厨房からピーピーピーというけたたましい音が聞こえてきた。
どうせ、タイマー式の鍋か、オーブンのお知らせか、そんなものかと思って、冷水をガブ飲みしていると、どうやら様子がおかしい。耳を厨房に傾けると、ピーピーピーのあとになにやら音声が流れている。談笑していた従業員氏も厨房に向かっていった。
やることもないので、耳を厨房に向けているとなにやらおかしい。
「・・・・・・・・が発生しています。速やかに対処し、電話してください」
「・・・・・・・そが発生しています。速やかに対処し、電話してください」
「いっさんかたんそが発生しています。速やかに対処し、電話してください」
一酸化炭素。警報は一酸化炭素中毒防止のガスセンサーが鳴り響いてるご様子。
それでどうして良いものかわからないインド人従業員がオロオロしているようであった・・・で、どうしたことか、彼らの視点がこちらを向いている。
「オキャクサン すみません、アレ ナンテ言テル?」
「え? え? 俺? えええええーーーーっと、たぶん一酸化炭素中毒防止のガス検知器とか?? そんなの???」
「?」
だめだ、このインド人、右にするしかない。ではなく、通じない。確かに母国を出て日本語まである程度会話ができるとか、すごいのだが、非常時には対応しきれない。
「あーあーあー えーっと、空気、悪い空気、出てる 酸素無い さんそ、サンソ わかる?」
「? ヨクワカラナイ」
「OK, OK. Are you English speaker?」
「チョベット(ちょびっと・・・と言いたいらしいが、チベットにしか聞こえない)」
「May be the talking alert says incorrect combustion.(たぶん、不正確な燃焼をしてるって警告してる)」
と伝えるも。自分の英語力が足りないのか、発音が悪いのか、的確に伝わってない。いや、表現が的確ではない。まったく伝わっていない。
だいたい<不完全燃焼>なんて英語で速効出ねえ!!(ちなみに正しくはimperfect combustion)。加えて一酸化炭素が出ている、酸素が足りないなどをへっぽこな英語で説明するも。「オキシ?」とまったく通じないことが判明。
ボキャブラリーが貧困すぎて死ぬしかないじゃない。
「OK OK オーマイガー どうしようどうしよう」
とあたふた説明していると、厨房の奥からからニューカマーが現れた。
「いま、テンチョー電話 ワカラナイ 出て」
さらに日本語のあやしいインド人がスマホをもって出てきた。どうやらこの状況、打破できるのはどうやら自分だけらしい。えらいこっちゃ。
・・・ん? っていうか電話先は通じるのか、いや、落ち着け、インドの公用語の1つは英語だったはず!(だったらなんでさっきの人には通じないんだヨガァア!)なんて錯乱しながら電話を受け取る。
「アー ドウモー アリガトーゴザイマス」
現場の緊迫感とは裏腹にのんびりした店長氏の声が聞こえてきた。
ここから事態はさらに混迷を迎え解決に向かっていくのですが、それは次回にでも(笑)
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