初出:2015/11/10 Vol.145 俺日記
改稿:2020/11/07

本日は、脳のリソースの有効活用について触れていこうと思う。

というと、脳をどうやって使うか、という話でしょうか。地頭の良し悪しがありそうですが・・・

いや、向き不向きはあっても、総合的な「脳の性能」にそれほど大きな差はないはずなんだよ。使い方の差は大きくありそうだけどね。

つまり、どうリソースを振り分けるのかで違いが出てくると。

まあゲームじゃあるまいし、そんな簡単にステ振り出来たら苦労しないけども(笑)

何、困ったらパワーで解決すれば良いのだ! 力こそパワー!

POKA先生、ロケランで全てを解決できるのはバイオハザードだけです・・・

だが、「気にしても仕方ないこと」はロケランで吹っ飛ばすつもりで思考から排除してその分のリソースを確保するというのは、考え方として大事かもしれんよ。
脳の総合演算能力は天才も凡才も同じ
脳の演算能力。これに関して自分は、どういう人であっても、総合的な演算量という観点では、そんなに極端な差はないのではないかと思うのです。
天才と呼ばれる人も、凡才で取り柄がないと自己評価している人も。
自分に自信がある人も、自信がない人も。状況判断能力に優れている人も、とっさの判断がままならない人も。
脳が使っているトータルの演算量というのは、ほとんど変わらないはずなのです。
もちろん、人それぞれ、キャパシティに差はあるでしょう。しかし、それが決定的な差になるとは思いません。
それというのも、昔は「人間は脳の数%しか使っていない」などという言葉が信じられていましたが、実際には、人間の脳は、起きている限りは割とフル稼働しているからです。
これは、個々人のIQや学歴、人格などで、差はあまり出ません。
脳の活性部位の違いとリソースの振り分け
じゃあなんで頭の良い奴がいて、俺みたいに頭の悪い奴がいるんだよ! と、怒られてしまいそうですね。
うんうん、自分だってもっと頭が良かったらと思うことはある。じゃあ、なんでそういう違いが生まれるか、というと。
「頭の良い人」「頭の鈍い人」の差は、どうやら、脳の活性化している部位の違いから来ているらしい。この差は顕著だそうです。
その点も踏まえて、人間の総合演算能力を、仮に100という数値で表すとしましょう。
この100のリソースを、論理的思考や、状況判断、計算力、空気の読み方度合い、そして態度などというパラメータに振り分けており、それこそが「人格」ではないかと思う訳です。
この振り分けや切り替えがうまい人は「頭が良い」ということになるのでしょう。
そして、こうやって考えると、専門分野にパラメータを極振りしていて、そのことに関しては極めて天才的だけど、それ以外は日常生活やら対人関係やらが壊滅的・・・というタイプの人がいるのも納得できるように思います。
脳のリソースを無駄遣いすると処理能力は低下する
この「人格」を形成する中で、自分に自信のない人や、他人にどう思われているかを極端に気にする人には、特に思う事があります。
自信が持てない故に「失敗したらどうしよう」といろんな失敗パターンをシミュレートしては落ち込んだり、他人の反応に気を取られて「こう思われたらどうしよう」と、思いつく限りの最悪の状況を想像したり・・・
演算能力が100あるとして、そのうちの50とか60、下手するとそれ以上を、こうした事に費やしてしまっているのではないかと感じるのです。
そうすると必然的に情報処理能力が落ち、結果としてとんちんかんな行動を取ったり、場違いな事をしてしまったりと、失敗に繋がっているのではないでしょうか。
気にしなさすぎも問題を引き起こすことがありますが、人間、言うほど他人のことなど気にしちゃいません。
ズルズルと引っ張って限りある脳のリソースを無駄なシミュレーションに費やすより、スパッと気持ちを切り替えて建設的なことを考えた方が良いと思います。
悪化すると心身の失調に繋がる
人間、失敗から学習して、次はもっと上手くやろう、とするものですが、しかし、こういった状態で引き起こした失敗は、負の想像を強化するばかりで、ロクな事になりません。
この辺が悪化していくと、他人の顔色をうかがうキョロ分だけが上昇していき、最終的には処理能力を超えて思考停止を引き起こしかねません。
これが過剰に続くと、脳の機能失調という形で、レセプタないしリガンドの異常が起こりだし、それが「心の病気」という形で実体を持ってしまうのではないかとも思います。
そうならないためにも、自分というものをよく観る・・・客観視をして、ある程度は「自信」というものを持つべきです。
そもそも人間、何の失敗もせずに生きている訳がありません。多少かっこわるい事があっても胸を張って生きていた方が、人生、楽しいんじゃないかと思います。
追記:どうやら失敗体験の積み重ねは苦手科目を生むらしい
亜留間先生の対談動画で、勉強法について触れています。トライアンドエラーは勉強法としては最低、という話。
曰く、失敗体験の積み重ねは苦手科目を生む、とのこと。
この記事では、「失敗を気にするあまり脳のリソースを無駄遣いしている」「失敗の積み重ねで負の想像を強化し、悪循環に陥る」という、自分の持論に触れたわけですが、どうやらあながち間違いでもなかった模様。
なお、この勉強法の話は亜留間先生の著書「アリエナイ医学事典」に詳細な記事があるので、気になる人はぜひ買って欲しい!
著者紹介

サイエンス作家、タレント。シリーズ累計20万部の「アリエナイ理科」シリーズを始め楽しい科学書の分野で15年以上活躍。週刊少年ジャンプ連載「Dr.STONE」においては科学監修を務め、フィクションと実科学との架け橋として活躍中。TV番組「世界一受けたい授業」「笑神様」「MATSU」ぼっちの出演や、YouTubeで80万再生を超える科学動画を「主役は我々だ!」と共同製作も。仕事の依頼や関連情報は https://twitter.com/reraku
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