ヘルドクターくられの「俺コラム」:【学校教育崩壊】教育現場のゲンバ

リテラシー
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初出:2019/10/29 Vol.353 教育現場のゲンバ
改稿:2020/07/06

くられ
くられ

本日は教育崩壊の話である。こんなんでも一応、高校や大学で講義することもあるわけで、そこから見えることもあるのだ。

Joker
Joker

「名前を書くだけで入れる大学」「分数がわからない大学生」とか、そういうのは聞いたことがありますが・・・

くられ
くられ

最初の最初、基礎の基礎のところでコケると、理数系は現状の学校教育では詰む。

Joker
Joker

たびたびおっしゃられている「階段飛ばし」はできない、という奴ですね。

くられ
くられ

まったく、それこそ15年も前からア理科で受験教育が良くないと言い続けて来ているんだがなぁ・・・

POKA
POKA

はっはっは。15年経っても我々がやってることは「狂気の改造」「意味不明な実験」とかだがな! さあ、今日も元気に工作の時間だ!

Joker
Joker

今日は爆発とかは勘弁してくださいよ・・・

くられ
くられ

ま、それはともかく、そういうのに思うところもあって動画「教科書さん」シリーズとか始めたんだよね。

Joker
Joker

そちらもよろしくお願いします。

動画「教科書さん」シリーズ

化学の教科書にツッコミいれてみた

ヘルドクターが見る「教育現場」

自分は常々「学校の教育」が崩壊しているということを逆手に取った「簡単に成績を上げる方法」を紹介してきました。

しかし、その「崩壊」世代の人からすれば、年上の世代の人から「昔はみんな頭良かった」みたいに頭ごなしに言われるのは甚だ不快だろうし、「そんなこと言われてもどうすれば」みたいな話ですよね。

すべては受験教育が「学び」を破壊していると、自分は拙著「アリエナイ理科」シリーズで15年前から文句を言ってきたわけですが、何の因果か、高校や大学で教鞭を振るうことになっております(笑)。

悲しいかなここ10年くらいに関してはリアルタイムで生徒世代の情勢をみることができるわけです。

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教育崩壊は小学校から始まる

その10年くらいで気がついたことは、まず小学校から教育崩壊が始まっているということです。

小学校で教えられる内容、ひらがな、カタカナ、最低限の国語力や算数・・・この段階からすでについて行けない人が一定数出ています。

昔だってそういう人はいました。いましたが、せいぜいクラスに一人二人だったのが、今や三分の一を占める学校もあるという話を聞きました。

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あくまで伝聞であって、自分で見たわけではないですが、これは驚くべきことです。

そうした、小学校レベルの問題ができない人が、そのままスライドして中学に入るとどうなるか。

分数計算ができない人が中学の数学を理解することはまず不可能で、理数系が完全に終わった人が出てきます。

一方で、社会や国語などはその場しのぎで覚えれば、なんとかその場の点数は取れるので、崩壊は見えにくいです。

しかし、知識として定着している人は少なく、覚えたことは抜けています。結局はその場しのぎなのでそんなもんです。

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分数の計算ができない大学生

この状態で高校に入ると、基本的に大半の授業についていけない子がむしろ大多数になりつつあり、教科書をしっかり全部、1年以内に終わらせてそれを理解している子はおそらく1割にも満たない状態です。

そんな状態で大学へという話になるわけですが、前述の通り、壊滅状態である理系教科よりは文系教科の方がその場しのぎでも成績としてマシなので、文系コースになったりします。

理系科目が苦手なので文系です・・・と名乗るのは変な話なのですが、それだけにヤバくて、しかもそのレベルでさえ大学を選ばなければ入れてしまう現実があります。

結果爆誕するのが「分数の計算ができない大学生」。まったく笑えない。

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大学受験方策のグダグダっぷり

また、今年度から教科書の内容がガラっと変わり非常に詳しく分厚くなったのですが、各社中身がてんでバラバラで検定教科書というのが規格化されていない状態です。

これはこれで自分は好ましいと思うのですが、おそらく大学受験テストを作る側が一番困るのではないかと。

しかも国の投げっぱなしな適当な受験方策でグダグダに拍車がかかって、これどえらいことになるんじゃないの・・・? と地味にびっくりしています。

なにより若い先生は今回の教科書の内容を説明できるのか甚だ疑問なレベルです。

数研出版の化学とか、第一学習社の生物とか自分でも全部ちゃんと質問をさばける自身がないくらいに細かいです。

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大学で学ばず、そのまま卒業して就職?

さて大学を選ばなければ誰でも入れるということ。

大学も大学でウルトラ少子化ですから名前を書けば通るような大学が珍しくなく、また全体の学力が下がったことで、普通にちょっとだけやっただけでかなり良い大学に入れたりします。

当然大学で苦労するのですが、理系でなければ卒業だけならなんとかなることも多くて、その結果、大学という場でさえ「学ぶ」ことなくそのまま素通り、そして就職という流れになります。

これは非常に良くない流れです。

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勉強という勉強から逃げ続けると・・・

勉強という勉強からすべて逃げてきた人は、教養? そんなモノ知りません。パソコン? もちろん使えません。スマホでしかテキスト打ちしたことないです! という人が少なくないです。

この状態で社会に放り出されて「役に立つ人材!」というのを求められるわけですから、優秀な子の取り合いになって、これまた求人はあるのに応募してくる子が大半取れない・・・という話にもつながっていく次第。

メルマガのざっくりした雑感記事にするレベルではないくらいヤバい話なのですが、また改めてその辺は掘り下げてみたいと思います。

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科学コント「教科書さん」シリーズ

とまあ、そういう事情もあって、身の回りの何気ないことから、少しでも科学というものに興味を持てたら、学校の勉強で引っかかりやすいポイントを面白おかしく説明できたら・・・

そういう思いもあって作っている動画が、冒頭茶番でも触れた、科学コント「教科書さん」シリーズです。

理系科目は積み重ねの学問です。つまづきポイントがあると、そこから先の理解がおぼつきません。

逆に言えば、つまづきやすいポイントをケアしてやれば、階段をひとつずつ登るようにして理解を深めていけるということでもあります。

まずは動画のタイトルからでも、「お、これ気になるな」というものがあればぜひ。

動画「教科書さん」シリーズまとめ

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著者紹介

くられ
くられ

サイエンス作家、タレント。シリーズ累計20万部の「アリエナイ理科」シリーズを始め楽しい科学書の分野で15年以上活躍。週刊少年ジャンプ連載「Dr.STONE」においては科学監修を務め、フィクションと実科学との架け橋として活躍中。TV番組「世界一受けたい授業」「笑神様」「MATSU」ぼっちの出演や、YouTubeで80万再生を超える科学動画を「主役は我々だ!」と共同製作も。仕事の依頼や関連情報は https://twitter.com/reraku

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