初出:2015/11/17 Vol.146 重大ニュースと生活
改稿:2020/04/07

本日は「危機管理」についてバチコリと触れていくのである!

爆発炎上の恐れがある時は消火器をしっかり準備しておくとかそういうことですか?

いや、それも大事だが、今回はニュース的な意味での自己防衛の話で・・・

何、爆発・炎上の実験とな! 火炎放射器も消火器もしっかり用意してあるぞ!

いや消火器は備えであって・・・いやだから今日は物理的な炎上では

準備完了! 3、2、1、ファイヤー!!!

人の話を・・・あっつぁモルスァ!

ああ、くられ先生が火だるまに・・・消火器、消火器!
重大事件の報道とSNSの情報
何か重大な事件が起きたとしましょう。
2020年4月現在であれば、COVID-19・・・新型コロナウイルスによる肺炎によって、世界的に大騒ぎになっており、日本でも非常事態宣言が出されました。
連日マスコミは大騒ぎ、ネットでも話題が白熱して、迂闊な発言がSNSで炎上・・・どれも良く見かけるものです。
しかし、話題によっては温度差が生じる事もしばしば。マスコミは大騒ぎしているけど、ネットでは冷ややかだったり、逆に、ほとんどマスコミは報道しないのに、ネットでは大炎上している、という事例もあり、情報にギャップというものがあります。
情報ギャップに気をつけよう
この情報のギャップというものは無視出来ないもので、重大事であればあるほど、ひとつのソースを鵜呑みにしない方が良いです。
報道が都合良く偏向されていて、日本の出来事なのに海外のニュースの方が正確だったり、ネットで大炎上しているけど、感情論が先行していて事実や実態が掴みにくかったりと、そういう事が往々にしてあるからです。
特に気を付けたいのはデマです。コロナ禍においても、無責任なデマがいくつも流れています。
またコロナ禍においては、理解不足から来る医療現場への無意味な負担増加も問題となっております。
今回は、重大事件と個々の危機管理について、思う事に触れていこうと思います。
大きな事件と人間や会社の本性
初出当時の2015年は、フランスでテロがありました。
地上波、民放では、テロップとニュースでちらりと触れた程度だったのに対して、ネットでは話題になりすぎるくらいに白熱したのを、今でも記憶しています。
大きな事件が起きると、人間は本性が出ます。会社も本性が出ます。
実際に東日本大震災のときも売名のため募金するとか言って結局はシケた行動を起こす会社から、誰にも頼まれていないのに、大型トラックに物資を資財で買い込んで援助に向かう人まで様々でした。
フランスでのテロは、遠い国での出来事だったので、我々日本人には実感が乏しい、というのは否めませんが、なんともなんともです。
Facebookなんかはその当時、プロフィール画像をトリコロールにするボタンとか、そんな機能を実装し、論争を巻き起こして一部から顰蹙を買っていたりもしました。これも、企業の体質をよく表す事例だと思います。
2020年のコロナ禍においても同様。マスクや検査や国の対応、自粛要請に休業補償と、世界的に問題になっている分、その規模は個人や会社だけでなく、国レベルに広がった感もあります。
日頃、声高に差別問題を口にしている癖に、露骨なアジア人差別が起きたりもしましたしね。
重大事であればあるほど個々の危機管理に目を向けよう
ともあれ、大きな事件が起きた時こそ、無闇に世界に目を奪われずに、回り回って自分にどういう影響があるかを、常々考える。
それこそが、とても大事な事ではないのかと、自分は思うのです。
こういう事を言うと「そんな自分勝手な! 自分さえ良ければ良いのか!」と言われるかもしれません。うっかり「うん、そうだけど?」などと言えば、大炎上しかねませんが・・・
そういう事を言いたいのではないのです。個々の危機管理をまずしてこそ、それが連なり、大きな危機管理となるのです。
人の心配をする前にまず自分の危機管理。そして近しい人の平穏無事を確かめ、影響を考え、対策を講じる。
Twitterで陰謀論をリツイートしたり、わけのわからない感情論をゲロゲロ愚痴る前に、まずは自分の足下を見るべきではないかと思うのです。
あちらの山が燃えているなと思ったら、自分の周りに燃えやすいものを置かないように注意する。
そして万が一の事を考えて、避難経路を確認し、大事な人を守れるように立ち振る舞うのが大事なのではないでしょうか?
著者紹介

サイエンス作家、タレント。シリーズ累計20万部の「アリエナイ理科」シリーズを始め楽しい科学書の分野で15年以上活躍。週刊少年ジャンプ連載「Dr.STONE」においては科学監修を務め、フィクションと実科学との架け橋として活躍中。TV番組「世界一受けたい授業」「笑神様」「MATSU」ぼっちの出演や、YouTubeで80万再生を超える科学動画を「主役は我々だ!」と共同製作も。仕事の依頼や関連情報は https://twitter.com/reraku
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