ケミカルクッキング!アップルローズタルトを自分で作ってみよう!

生活と科学
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初出:2015/01/06 Vol.101 薔薇のアップルパイ作り 前編
初出:2015/01/13 Vol.102 薔薇のアップルパイ作り 後編

アリエナイ理科ノ大事典で紹介している薔薇のアップルパイ・・・コラボカフェ企画ではアップルローズタルトとして提供されたものの大元となるレシピは、実はメールマガジンが初出です。当時、二回に分けてお送りしたものを、今回は再編集した上でご紹介します。

科学の力で薔薇のアップルパイをパワーアップ

薔薇のアップルパイ。クックパッドなどで話題になっていたので、どうせなら科学の力でブーストしてやろうと、今回はそういう企画です。基本となる作り方はクックパッドで「アップルパイ バラ」とでも検索してみてください。

マネをするならより良いモノを、後出しじゃんけんでオリジナルに劣るなんてことはあってはならないので、工夫してより良いものにしていきます。
目指すはよりバラの色合いに近づけること、薔薇の花びらがしおれないこと、より美味しいこと、そして、食べたときにバラの風味がすることです。

料理と化学の双方が融合した料理にこそ、自分の知識が役に立つわけです(笑)。

リンゴの切り方のコツ

まず薔薇の花びらであるリンゴの調整ですが、まずは切り方から変えます。薔薇の花の構造を考えると、小さい花びらと大きい花びらがあり、それらの高低差が美しい薔薇のシルエットを作ります。

故に、大きな花びらを作るために、丸洗いしたリンゴをそのままスライスカットしていきます。スライサーを使っても包丁でも構わないので、リンゴを真横からスライスして大きな薄いリンゴを作ります。

次に余った部分やもう1つのリンゴは、半分にしてからスライス。芯の周りは使えないので食べてしまいます。

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煮汁の科学的レシピ

続いて、リンゴを煮る液を作ります。ベースは白ワインと高果糖液糖。そこに酒石酸と赤色104号を加えます。無ければ、赤ワインに市販の食紅(大半が赤色2号)で赤液を作れば良いです。ワインに溶かしておく事で色素のリンゴへの吸収率が上がり、そして高果糖液糖と酒石酸でリンゴの味をギュっと美味しくするわけです。

着色料の赤色104号は、最近はアマゾンなんかでも買えますが、取り扱いには注意が必要です。というのも、業務用の着色料はハンズやスーパーなどに売られている薄められたものではなく、大半が濃度65%以上のほぼ原末なものなのです。よって、ほんの少しをこぼしただけでもみるみる色があちこちについて、慣れていない人はキッチンがあっというまにピンク色になり、しかもかなり落ちません。ステンレスでさえスキマに色素が入ってとれなくなって、研磨剤を使うことになるので要注意です。まな板は永久染色コースです。

そんな赤色104号ですが、2号に比べて鮮烈な赤色で加熱料理後、最も薔薇に近い色合いを出すことが出来ます。高果糖液糖はカルディなどで売られているガムシロップの裏書きを見て、成分で探せば良いでしょう。酒石酸は酸味付けに使いますが、リンゴをはじめ、様々なジャム作りに高級な酸味を足してくれます。シェフがちょっとおいしいジャムを作るときに、ワインで煮込んでさらにレモンを加えるのに近い感じです。色落ちも少なくなります。

そうして作った液でリンゴを煮込んでいきますが、加熱時のコツは、あくまで煮立たせたらあまり混ぜないで、そのまま冷ますことです。夏場であれば冷蔵庫で一晩置くと色が染みこみます。これは煮物と同じ原理で、色素も加熱中には浸透しにくく、冷めるときに中に入るからです。

煮終わったら、最後に冷える前に食品添加物用のゲラニオールを入れましょう・・・といっても、手に入りにくいかも知れませんが・・・最近は食用のアロマオイルなんてものもあるので、それを使ってみるのもアリかもしれません。

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あとはこの花びらを使って、ネットにあるレシピ通りにパイを焼いていけば美しく美味しいアップルパイのできあがりです。

具体的な分量とかは、拙著「アリエナイ理科ノ大事典」で解説しているので、そちらもあわせて見てくれると大変ありがたいのです!

アリエナイ理科ノ大事典
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