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【機械王の休日】断熱材の科学:パーライトを断熱材に応用する

機械工作と科学装置
ガスバーナーで強熱
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初出:2018/09/25 Vol.295 機械王の休日:パーライトを断熱材に応用する

機械王の休日、第14回をお送りします。今回はガーデニング用品の話・・・といっても、もちろん、ガーデニングの話ではありません。ガーデニング用品の中に、実験に役立つ素材があるのです。これもまた、生活用品を科学の目で見るという事でしょう。

断熱性に優れたパーライト

一般的なガーデニング用品であり、どこのホームセンターでも普通に売っているパーライトというものがあります。2L程度と少量なものならば、ダイソーでも扱われていて、大変入手しやすい素材です。もちろんネットにも取り扱いがあります。

黒曜石などの含水鉱物を熱処理・・・強熱して水分を抜いてやると膨張し、スカスカの多孔質の物体が得られます。これがパーライトです。多孔質であるため、水分を多く蓄えられ、ガーデニング用品として好んで使われている次第です。

多孔質である、ということは、断熱性にも優れている、ということです。さらにパーライトは鉱物であるため、高温に強く、耐火材料として理想的な特性を持っています。

つまり、高温の熱処理を行う際の断熱材として、とても都合が良いのです。

家庭用のガスバーナー程度で熔解させる事は不可能と言って良いでしょう。その上、前述の通り手軽に入手可能で、かつ安価な素材なので、スラグやフラックスなどで汚染されても困りません。使い捨てれば良いので。

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実際に断熱材として使ってみる

ガスバーナーで強熱を必要とする作業では、加熱対象から熱が逃げないようにするのが望ましいです。そのためには、断熱性の高い素材の上で加熱するのが一番。

また、作業用のテーブルなどに熱が伝わると焦げてしまったりと事故の元になるので、そういう意味でも断熱材を敷いて作業をする必要があります。

では、実際に使ってみましょう。適当な金属製の器にパーライトを盛ります。厚さは5cmもあれば充分でしょう。これだけの厚みを持ったパーライトの層があると、簡単には熱が伝わりません。安心して加熱作業ができますね!

この通り、金属片が真っ赤になるまで熱しても、パーライトが変質する様子はありません。

徐冷に使う

熱した坩堝や素材などをパーライトの上に乗せて徐冷に使うこともできます。バーナー作業後に徐冷が必要な場合など、即席とは思えないほど断熱材として便利です。

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