幻覚による悪夢の迷宮:いくら寝ても回復しない睡眠不足もある

生活と科学
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初出:2016/09/13 Vol.189 寄稿「Joker」:睡眠不足と正気と狂気の分かれ目

どうも。Jokerです。思いのほか幻覚特集がウケたので、当時の寄稿を掲載してみることにしました。今回はくられ氏のコラムではなく、私、メルマガ編集およびポータル管理人Jokerがお送りします。

私は持病の関係でがっつり幻覚を体験しているので、「せっかくだからそれも次回追記してよー(原文ママ)」と、くられ氏より生の声を求められたので、お久しぶりの寄稿と相成りました。しばらくお付き合い頂ければ幸いです。

いくら寝ても睡眠不足

さて、幻覚ですが、私の場合は薬物性のものではなく、極度の睡眠不足から来るものでした。前提としては、ちょっと何日か徹夜した(実際は寝落ちしたり仮眠取ったりしてる)という状態ではなく、重度の睡眠時無呼吸症候群で、何時間寝ても脳の疲れが取れない、そんな状況下です。本格的に寝入ると呼吸が止まって血中の酸素濃度が下がって、こりゃ死ぬ、というところで脳みその方は起きて体に呼吸をさせるので、本人に意識がなくても脳みそが絶賛ブラック労働中、と言えばいいでしょうか。医学的に正しい表現かどうかは、まあ、この際、置いておきますけど。

まーそうなるとどうなるかって、脳みそが誤動作しまくる訳です。本編のくられ氏の表現を借りると「バグってる」状態ですね。
私の場合、夢と現実の区別が付かなくなる症状が一番キツかった。この「夢と現実の区別が付かない」って、お花畑でメルヘンな話じゃないです。リアルに起きると本当に死にたくなります。

悪夢の迷宮

具体的に言うと、こなしたはずの仕事が夢で、実は進んでなかったとか。よくわからないけど何かとてつもないミスをした夢が実は現実で、あらためて確認したら誰にでもわかるミスで、慌ててフォローをして。そんな事を繰り返してると仕事にならないんで上司にも同僚にもメチャクチャ怒られます。そして、今度はその怒られた声が幻聴になって、嫌なタイミングで聞こえてくる始末。
そうなってくると、自分がまったく信用できなくなるので、形に残そうとメモばかりが増える。しかし、後で見返しても、メモの内容が支離滅裂なので、まったく役に立たない。こんな加速度付きの怒濤の負のスパイラルです。

重篤とはいっても睡眠不足でこれだけ「認識」ってものは破壊されてしまうのです。そんな状態から「戻ってこれた」から、今の私があります。もちろん、適切な治療を受けたからというのもありますが、一番重要だったのは、こういう症状を「脳みそに起きてるバグ」だという認識を持っていたからだと思っています。正気と狂気の分かれ目は、まさにそこにあるのではないかと。今回の特集で言われている通り、幻覚がどんな感じかわかる人はそんなにいません。その理由の一端は、幻覚を感じても当人の主観では幻覚ではないから、です。

幻聴を聞いて「こんなにハッキリ聞こえるのに幻聴な訳がない!」と主張するか「脳みそが作り出したもんだからむしろハッキリ聞こえるんだな」と思うか、というと、わかりやすいかも知れないですね。耳で聞いてるんじゃないんで幻聴ってものすごくクリアに聞こえるものです。さらに言うと、誰かから責められてて内容がキツいのも、それを恐れる自分が作り出しているから。そんな風に思っておくと、かなり追い込まれても最後の一線は越えないものですよ、実体験上。
ここで自身の認識を絶対視してると、あっという間に坂道を転げ落ちて、たぶん林先生に質問を出す事になるでしょう。人間の脳みそなんてちょっとした化学反応の変化でコロコロ変わるもんだと思っておいた方が、良いんじゃないでしょうかね?

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Joker
Joker

アリエナイ理科ポータル管理人にしてメルマガ編集、配信担当。
薬理凶室の裏方にいる四ツ目の悪魔。
https://twitter.com/JokerLunatic