PR

デッドリーダイエットの歴史:海外の「痩せる薬」の危ない事情

美容と健康
スポンサーリンク

初出:2015/08/11 Vol.132 海外ダイエット薬変遷
改稿:2022/12/03

くられ
くられ

本日は、海外のダイエット薬の歴史について紹介していこう!

Joker
Joker

その昔「デッドリーダイエット」って本を先生が出した時のあれこれですか

くられ
くられ

飲めばみるみる痩せるクスリというのは昔からみんな欲しがっていて、でも実際にはそうそう都合良くはいかない、ということもあり、ものによっては死屍累々だったりするんだよね。

Joker
Joker

まあ、本当にそういう都合のいい薬があるなら、ちゃんとした薬として流通してるよ、と、常々言っておられますものね。

くられ
くられ

うむ。まあ、昔から言っている通り、最終的には「運動はすべてを解決する」に帰結する。デッドリーダイエットで紹介したものも、それを小さな副作用で助けてくれるだけなのだ。

痩せる薬の変遷

一粒飲めばみるみる痩身。そんなサプリメントはありません。

最近ではテレビどころかYouTubeの広告にも「飲むだけで痩せるサプリ」とか平気で流れてきますが、薬機法で定められた医薬品ではない以上、薬としての効果などありません。価値がない!

そもそもちゃんと本当に効果があるなら、サプリなんていう抜け道商売ではなく医薬品として流通しているはずです。

とはいえ、多少の副作用に目をつぶれば、痩せる薬というものは、実はそれなりに候補が浮かび上がってきます。

ダイエット薬の歴史というのは非常に浅く、ここ20年くらいの歴史ですが、数々の変遷がありました。

今回は特に海外で一時期流行し、そして衰退していった「ダイエット薬」の歴史を振り返ってみましょう。

スポンサーリンク

元祖ダイエット薬「麻黄」

ダイエット薬として「元祖」と呼ばそうなのは、麻黄です。

効果があるのは、麻黄に含まれているエフェドリンという覚醒剤に近い物質であり、これの効果で脂肪を体温に変換させやすく、その結果として減量効果が期待できるというもの。

また、エフェドリンはカフェインとの相乗効果で体温を上げたり心拍数を上げるので、消費カロリーがガクンと増えます。

スポンサーリンク

死人が出たダイエット薬

ただし、このダイエット方法では、痩せたとしても「やつれる」だけで、シェイプアップにはならないという、本末転倒の危険性を孕んでいます。

一時期、こうしたエフェドリン含有のサプリメントが海外で流行し、日本国内でも個人輸入して使う人がいたりもしましたが・・・濫用や健康被害が発生したのは、さもありなん、という感じ。

2000年には合成エフェドリン類似物質であるPPAがアメリカで規制、2004年にエフェドリンサプリメントの販売禁止などを受けて、事態は収束しました。

いっぱい死んだしね。しょうがないね。

スポンサーリンク

ステロイドでダイエット

2000年に入ってからは、筋肉増強剤であるステロイドホルモンがダイエットに使われるようになります。

最初はメチルテストステロンやスタノゾロールといった古くからボディビルダーなどが使っていた薬が好んで使われました。

しかしダイエット目的には副作用のリスクが大きすぎることや、より副作用の小さいものということで、11-OXOなどの大ヒット商品などが生み出され、女性も使えるボディシェイプアップ薬ブームが2003年前後に起きます。

拙著、デッドリーダイエットもこの辺に出たわけです(笑)。

スポンサーリンク

通販サイトから消滅

しかしこのブームはメジャーリーガーのマグワイヤ選手のドーピング告白に端を発したメジャーリーグのドーピング規制、2005年をピークに製造メーカーが次々と撤退。

現在は法的に規制はされていないものの、ほとんどの商品が通販サイトから消え購入不可能になりました。

2008年にはほぼすべてのステロイド系ドーピング薬が消え、ダイエット薬の業界は醒めていった感じがあります。

スポンサーリンク

その後の流れ

こうした流れですっかり勢いを失ったようでいて、しかし2009年、アンチエイジングで使われていた薬が、サプリメントメーカーから安価で供給されるようになり徐々に盛り上がりを見せました。

DHEAやHCGなどがもてはやされていたものですが、過去のステロイド系に比べると副作用はほとんどないものの、効果はかなり穏やかなものになります。

また、2010年に入り、糖尿病の治療薬として、その副作用で内臓脂肪が減るということが報告されていた「メトホルミン」のデビューを臭わせる発表が世界各社、日本でも発表がありました。

メトホルミンは臨床試験の段階ではかなり優秀な成績を上げていたようですが、しかし、ネガティブな意見も多く・・・

実際に自分も山ほど飲んでみましたが・・・まったく痩せませんでした(笑)。

もともと太っていない人を絞るほどの効果はないようで・・・(笑)。

スポンサーリンク

2020年10月追記:GLP-1という薬

と、そんな感じで長年そういった、ダイエットにまつわる薬というのはいろいろ調査して、ものによっては実際に自分の体で試しもしてきました。

そんな中で、最近、数ヶ月に渡って試してみたのが「GLP-1」というダイエット薬。

これも糖尿病の治療薬であり、痩身目的の場合は病院で処方してもらうにも保険適用外でお高くつくわけですが・・・

正しく使えば、少なくとも自分の場合は一定の効果がありました。

これについては詳細を動画にしているので、そちらをご覧ください。

スポンサーリンク

著者紹介

くられ
くられ

作家、科学監修。「科学は楽しい!」を広めるため科学書分野で20年以上活動。著作「アリエナイ理科」シリーズ累計50万部突破。原作を務めるコミックス「科学はすべてを解決する!!」も50万部を超える。著作「アリエナクナイ科学ノ教科書」が第49回・星雲賞ノンフィクション部門を受賞。週刊少年ジャンプ連載「Dr.STONE」においては漫画/アニメ共に科学監修を担当。TV番組「世界一受けたい授業」「笑神様は突然に・・・」NHK「沼にハマってきいてみた」等に出演。ゲーム実況者集団「主役は我々だ!」と100万再生を超えるYouTube科学動画を多数共同製作。独自YouTubeチャンネル「科学はすべてを解決する!」チャンネル約30万登録やTwitterフォロワー16万人以上。教育系クリエイターとして注目されている。関連情報は https://twitter.com/reraku

「アリエナイ毒性学事典」好評発売中です!

「アリエナクナイ科学ノ教科書2」好評発売中です!

新刊「マンガでわかる! 今日からドヤれる科学リテラシー講座 教えて!夜子先生」好評発売中です!

関連記事・動画

オルリスタットというダイエット薬とリスク

ドーピングの話

みるみるうちに体重と寿命が減るヤバい奴の話(トカナ)

【服用厳禁】爆速で脂肪を燃焼する「死のダイエット薬・DNP」が怖すぎ! 痩せる代わりに、がん・脳障害・白内障…くられ解説! - TOCANA
【ヘルドクター・クラレのググっても出ない毒薬の手帳】第30回 2,4-ジニトロフェノール(DNP)今回のテーマは欧米で話題の激ヤセドラッグ・DNP。掲示板「reddit」ではこの薬とステロイドだけでムキムキになったという画像が話題になりましたし、日本では、1週間で30kg痩せたというエピソード...

薬局売りのダイエット薬

防風通聖散は漢方として昔から肥満に処方されている数少ない薬です。

難消化性デキストリンでお手軽ダイエット

ダイエットサプリの実情

くられ先生のダイエットコーヒー

「ダイエット」記事一覧

ダイエット
「ダイエット」の記事一覧です。

宣伝

ニコニコ動画にて有料チャンネル「科学はすべてを解決する!! ニコニコ秘密基地」を開設しました!

科学はすべてを解決する!! ニコニコ秘密基地(科学!! chニコニコ秘密基地) - ニコニコチャンネル:エンタメ
科学は身の回りに溢れすぎて、逆に見えない。そんな科学はしっかり紐解けば、セカイはまるっとチガってみえるかも!?  ...

「アリエナイ医学事典2」が発売されます!

「アリエナイ医学事典 改訂版」好評発売中です!

「アリエナイ理科ノ大事典3」、好評発売中です!

くられ先生の単著「アリエナイ毒性学事典」好評発売中です!

工作系に特化した「アリエナイ工作事典」好評発売中です!

「アリエナイ理科ノ大事典」改訂版が発売中です!

「アリエナイ理科ノ大事典2」、好評発売中です。

ダイエット
「ダイエット」の記事一覧です。
タイトルとURLをコピーしました