統計・グラフの詐欺にご用心・見分けるポイントは「因果関係」

リテラシー
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初出:2013/04/23 Vol.13 因果関係

くられ
くられ

本日は「統計詐欺」をテーマにお送りする。ぱっと見それらしいデータを出されても、怪しいものは山ほどあるのだ。

Joker
Joker

あー、最近は「このグラフおかしくね?」とかSNSで叩かれてるのとかも見かけますね。

くられ
くられ

そういう程度の低い奴は論外にしても、調査対象を偏らせたり、関係ないデータ同士をくっつけたりするといくらでもこじつけができるんだよね。

POKA
POKA

はっはっは。顧客満足度が云々などという奴もそうだな。そんなもの、エグゾーストキャノンに魅せられた人間に、発射を試させてみて「どうですか?」と聞くようなものだ!

Joker
Joker

あの発明品は何か特定人種をものすごく誘引するようですけど・・・

くられ
くられ

さておき、まあ、数字やグラフを出されたからといって正しいとは限らないので注意していこうという話なのである!

巷で見かける「詐欺グラフ」と統計データ

TVやウェブなど媒体を問わず、日夜見かけるものが「統計データ」。

ワイドショーに出てくるような、あからさまに大嘘な、比率とパイの大きさが合ってないゴミみたいな円グラフは論外としても、一見は正しそうに見える統計データでも、疑ってかかった方が良いものはたくさんあります。

さも関連性がありそうに見せかけるためだけに統計を取るなんてことはザラにあるからです。

気をつけていても騙されてしまうことも多いんですが、今回はその辺をなるべく見分けるためのコツみたいな話をお送りしようと思います。

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統計に用いられる詐術

人間、口先だけで言われると胡散臭いな、と感じても、数字を持ってこられると「そうなのか」と思いがちです。

そもそも統計というのは、そういう点を利用した詐術のひとつとなり得るものだと、まずは理解しておきましょう。

最初に触れたような、イメージを押し付けるための、数字と大きさがあってないようなグラフの改ざんとか、そもそも大元にしているデータの改ざんとか、そういう「騙し」は、ちょっと気をつけていればおかしいなとわかることもあります。

しかし、統計はそういう原始的なもの以外にも騙す手法が山ほどあるので、様々な点から疑ってみるべきなのです。

別に頭からデータを信用するなと言っている訳ではありませんが・・・それほどいい加減な統計が多いのも事実だと思っていただければ。

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調査対象が偏っている事例

非常に多くあるのが、調査対象の偏り、つまりデータの分母となる部分がおかしい事例です。

例えば、サプリメントの満足度調査を考えてみましょう。

フラットにやるなら、初めて使う人、使い続けている人、使ったけど効果がなくてやめた人など、広くデータを取る必要があるでしょう。さらに言うなら、思い込みも作用するので、サプリメントの名前を伏せてデータを取る必要もあるはずです。

が、売る側からするとそうした正直なデータは売りつけるのに不都合なので、都合を良くしようとします。

ここで、データを取る対象を、何度もリピート購入をしている人だけに絞ったらどうなるでしょうか?

当然ですが、良いと思って買い続けている人相手に満足度を聞けば、大半が満足と答えるに決まっています。

別にサプリメントに限った話ではなく、保険でもコスメでもなんでも良いですが、こういう手口を使っているのが大半です。

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因果関係のない統計に価値はない

また、さらに気をつけないといけないのが、因果関係のない統計です。

「コーヒーに金をかける人はビジネスで成功しやすい」「寝具に金をかけない人は腰痛に悩まされている」

こんな感じの、一見それっぽく、調査対象も先ほどと違って広いモノです。正しい統計データに見えます。

が、しかし、よくよく考えると、このデータには因果関係がないのです。「因果関係」という言い方をすると、難しく感じるかもしれませんね。

実際はなんてことのない話で、関係ない二つのデータを組み合わせているだけです。

これがどれだけナンセンスなのか、例を出して考えてみましょう。

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パンや米を食べる殺人鬼

こういうのは極端な例を出すのがわかりやすいので、話を「殺人事件」と「何を食べたか」にしてみましょう。

殺人事件が起きました。犯人はその前に、パンないし米を食べていました。

これをこねくりますとどうなるか。「殺人事件の多くは、パンないし米を食べた24時間以内に行われている」というデータをでっち上げることができます。この統計だと殺人犯の9割以上は該当するでしょう。

これを都合よく解釈して導き出される結果は「パンないし米を食べると殺人に至る精神変容を及ぼす」なんてすごい話です。

つまりこれは「殺人を犯していない」人のサンプルが入っていないために、こんな不思議なことになってしまうのです。

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反対の調査を含めない統計はでっち上げと言われても仕方ない

よって、統計としては、データを取った層に反対の属性が入っていなければ信用に値しない、ということになります。

先ほどの事例でいうなら「コーヒーに金をかけていない層」や「寝具に金をかけている層」からもデータを取っていないと、アテにならないということですね。

こういう具合にちゃんと反対の調査と併せて、初めてその統計データには見えてくるものがあると言える訳です。

それっぽいグラフや9割が満足といった言葉を聞いたときは、この記事をちょっと思い出して「ちょっと待てよ・・・」と冷静に考えるようにしてみてはいかがでしょう?

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著者紹介

くられ
くられ

サイエンス作家、タレント。シリーズ累計20万部の「アリエナイ理科」シリーズを始め楽しい科学書の分野で15年以上活躍。週刊少年ジャンプ連載「Dr.STONE」においては科学監修を務め、フィクションと実科学との架け橋として活躍中。TV番組「世界一受けたい授業」「笑神様」「MATSU」ぼっちの出演や、YouTubeで80万再生を超える科学動画を「主役は我々だ!」と共同製作も。仕事の依頼や関連情報は https://twitter.com/reraku

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