「添加物は危険?」に対する答え:食品添加物の重要な役割を知ろう!

生活と科学
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初出:2020/08/11 Vol.393 添加物は危険なのか?
改稿:2020/09/11

POKA
POKA

はっはっは。BBQコンロを用意しろと言われたので、炭を使って火起こしをしておいたぞ!(ブオオオオオーーーー!)

Joker
Joker

POKA先生、もうバッチリ火は回ってるので、ブロワーはその辺に・・・あっつ! 火の粉が!

くられ
くられ

おお、準備出来たみたいだね。今日はたくさんソーセージをもらってしまったので、みんなで食べようと思ってね。

Joker
Joker

ホットドッグも作りましょう。私は黒ビールも飲みたいです。

くられ
くられ

ところでソーセージといえば、よく槍玉に上げられるのが添加物として使われている亜硝酸ナトリウムなんだよね。

POKA
POKA

「発がん性があって食ったら死ぬ」と言いまくってる連中もいるな。食って死ぬようなものが流通していたらすぐに大騒ぎになるというのに、アホな連中である。

Joker
Joker

「継続して摂取するのは危険」とも言われてますね。先生、その辺は実際どうなんですか?

くられ
くられ

人体に悪影響が出るほどの量を毎日むっしゃむっしゃ食っていたらとしたら、添加物の毒性より塩分と油の取り過ぎの方がヤバいんじゃないかな?(笑)。

Joker
Joker

ごもっとも・・・そろそろ焼けますね。みんなで美味しくいただきましょう。

食品添加物は毒なのか?

添加物は危険・・・実際に発がん性があるんじゃないの? 着色料なんか毒じゃないの?

そう考えている人は意外と多いかと思います。

添加物が使われるには相応の理由があります。香料や酸味料は分かりますが、乳化剤やpH調整剤、防腐剤なんていわれると、なんだか得体の知れないものが入れられている気がします。

多くの食品添加物が危険・・・とされる本の筆頭で紹介されている、亜硝酸ナトリウムを例に話をしましょう。

亜硝酸ナトリウムというのは「防腐剤」や「保存料」として表記される指定添加物で、かなりの毒性があり、成人男性だとたった2gで死に至る可能性がある毒物です。

「添加物が恐い」といった類いの本では必ずと言っていいほどこの化学物質が「発がん性有り」と書かれていて、絶対に摂ってはいけないとさえヒステリックに糾弾する論調が見られます。

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添加物が使われるのは「消費者のため」である

確かに亜硝酸ナトリウムは毒です。

成人男性がたった2g(2000mg)で死に至る可能性があるものが添加物として使われている・・・こう聞くとそんなものを食べ物に入れるなよと思いますね。

特に食品添加物の中では唯一に近いはっきりと毒であると言えるものなので、当然やり玉に挙げられます。

逆にこれが安全であるという確信がもてれば、添加物はコワイと思考停止することもなくなるわけですよね。

「買ってはいけない」系のフードホラーを煽る本では常套句に書かれている、彼らの意見は本当に正しいのでしょうか?

なぜそんな毒物が添加物として使われるのか? 「それは消費者のため」だからです。

最近何かと話題の世界保健機関や国際連合食糧農業機関といった機関が連携して決めた、世界中の多くの科学者が様々な実験をしてその結果を踏まえて、それによって得られるメリットが大きいから認められているのです。

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亜硝酸ナトリウムという「毒」を食品に使う理由

亜硝酸ナトリウムに関しては使用するにあたっての明確な理由があります。

何万分の一の確率で起きる、ボツリヌス中毒を可能な限りゼロにするために使っているからです。

すべての添加物には理由があります。理由が抜け落ちると、なにやらよくわからない得体の知れない化学物質を入れているという話になるので、非常に大切なところです。

何万分の一の確率のために毒を入れるのか・・・と思う人もいるかと思いますが、毒というのは、あくまで一定量を超えた場合にのみ毒として作用します。

この辺は、「教科書さん」動画でも解説した通り。ジャガイモだって毒性の強い芽や緑の皮は食べられない部分ですが、それ以外の部分にだって、小なりとはいえ毒性はある訳でして。

声高に亜硝酸ナトリウムを悪者にして叩いている側には、この「量」の概念が欠落していることが多々あります。

この辺をクローズアップしていきましょう。

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毒性の出る量を摂取しなければ「毒」ではない

生産者としては商品として何十万、何百万個と出荷するにあたって、何万分の1程度の食中毒の危険性も避けなければいけないのは当然です。

ハム、ソーセージの類いは肉を一旦粉々にしてそれを固めるものです。そこに外気などからボツリヌス菌が入り込むと、これはかなりの確率で人を死に至らしめるボツリヌス中毒が起きます。

なのでソーセージから亜硝酸ナトリウムの使用を無くすということは、「人が死ぬかもしれない危険性があるけどそれでもいいか?」という話になります。

結果的にハムやソーセージには1キログラムあたり最大70mgもの亜硝酸ナトリウムを使って良いことになっています。

亜硝酸ナトリウムのADI(生涯毎日摂取しても大丈夫な量)は「0.06mg/kg体重/日」となっています。つまり0.06mgの体重倍なら、毎日、口から入っても問題ありませんという量です。

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ADIは「生涯・毎日」摂取の基準

しかし、商品によってはこの公式を当てはめると、50g程度でADIに達してしまうので、「危険だ! 危ない! 亜硝酸ナトリウムは体を蝕む!」とある本には書いてあります。

一見正しそうに見えますが、まず最大容量で亜硝酸ナトリウムを使っているハムやソーセージがまずあまり売っていません。

より安全な別の添加物に代替され、その上で安全性を確保するためにどうしても必要な量を使っているため、実際は、市販のソーセージを袋一杯食べてもこの量には届かないようになっています。

それでも万一超えてしまったら? それも問題ありません。ADIという安全を考えた基準というのは「生涯・毎日」を前提としています。

先ほどの「危ない」という論は、この「生涯・毎日」という部分を完全に読み抜かしてモノを言ってる訳です。

ADIはたまの2、3日、ADIの10倍や100倍いったところでまず影響が出るとは到底考えられないレベルで安全域を設定しています。

要するに、毎日毎日ずーっと摂取し続けない限りは、何も問題ありません。

むしろ一年間通して毎日ハムやソーセージを1キロも食べる方が圧倒的に不健康です、たぶん、食塩と油の取り過ぎでなんらかの病気になるはずです。

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天然の成分をより安全に代替する添加物

まだ気になりますか?

じゃあ岩塩で作ったソーセージと亜硝酸ナトリウムを添加したソーセージ。どちらがいいでしょう?

「得体の知れない添加物を使ったソーセージより、天然の岩塩を使ったソーセージの方が安全に決まっているじゃない!」

というように思われるかも知れませんが、実際は逆です。

実は多くの岩塩には硝酸ナトリウムがけっこうな分量で含まれており、そもそもこれがボツリヌス菌のような嫌気性細菌を押さえ込む働きがあることが研究の結果分かったからこそ、硝酸ナトリウムより安全で効果の高い亜硝酸ナトリウムを使うようになったわけです。

今回は添加物の毒性の一面を少し紹介しただけですが、ちゃんと冷静に判断すればこういう話なのです。

逆にこんなことも理解できないで科学者を名乗ってフードホラーを煽っているなら、とんでもない確信犯か、基本的常識も判断できない超アホかどちらかだと言えます。どっちもだめですね。

故に相手にする必要はないわけです。

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著者紹介

くられ
くられ

サイエンス作家、タレント。シリーズ累計20万部の「アリエナイ理科」シリーズを始め楽しい科学書の分野で15年以上活躍。週刊少年ジャンプ連載「Dr.STONE」においては科学監修を務め、フィクションと実科学との架け橋として活躍中。TV番組「世界一受けたい授業」「笑神様」「MATSU」ぼっちの出演や、YouTubeで80万再生を超える科学動画を「主役は我々だ!」と共同製作も。仕事の依頼や関連情報は https://twitter.com/reraku

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