【食品衛生を学ぼう】意外と知らない消費期限と賞味期限の違いとは?

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初出:2020/05/12 Vol.380 消費期限と賞味期限の違い

くられ
くられ

本日は、消費期限と賞味期限の違いについて解説していく!

Joker
Joker

食品衛生的な話ですね・・・ところでこの肉はなんですか? メッチャうまそうですが・・・

くられ
くられ

いわゆる熟成肉というモノだな。普通に生肉を放置すると傷むわけだが、細菌の管理をきちんとすれば腐らず熟成されて美味しくなるわけで、この辺に消費期限・賞味期限についての関連があるわけでだな。

POKA
POKA

はっはっは。細かいことは記事の方を読んでもらえば良かろう! 今はこの肉を食べるのが最優先ではないか?

Joker
Joker

これほどいい肉ですから、やはりここは赤ワインを・・・

くられ
くられ

頼むから人の話聞いてくれない? いや、食ってからでもいいけどさ。

消費期限の定義

食品に印刷されているものは、商品名、キャッチコピー、彩り豊かなイラストそして食品ラベルだけでなく、もっと地味に刻印されているもの・・・そう、賞味期限です。ものによっては消費期限と書かれています。

今回はこの消費期限と賞味期限について、これらの言葉の裏側、誰がどういう根拠で保証しているのか? まずはそれを見ていきましょう。

消費期限と賞味期限。どちらも同じ言葉のように思えますが、食品衛生法で運用法が異なっています。

まず消費期限は、弁当、精肉、生菓子、生麺類、パン等、製造日を含めて5日以内には悪くなってしまう食品に印刷されるものです。

適切な冷蔵状態が維持された状態で、かつパッケージを空けていない状態でその期限以内に食べる限りでは安全に美味しくいただくことができます・・・という意味になります。

当然、猶予期間は設けてあり、消費期限を1分1秒越えた時点で急激に腐り出すわけではありません(笑)

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賞味期限と猶予期間

冷蔵庫の中で日付を超えただけで即座に捨て出す人もいますが、冷蔵庫の温度や、冷蔵庫の衛生状態(冷蔵庫が不衛生な人も多い)諸々を含めて余裕をもって決められています。

逆に言えば夏場、カンカン照りの中1時間くらいぶらぶらして持って帰った生ものは、再度、冷蔵庫に入れてもアウトな状態になっていることは珍しくありません。

猶予期間は食品によってまちまちです。

賞味期限というのは、インスタント麺やスナック菓子、レトルト食品などに付けられるもので、法的には「定められた保存方法であるかぎり期待される品質が十分のもの。ただし該当期間を超えた場合があってもこれらの品質が保持されていることがあるもの」という「ただし」が付いています。

要するに、何時何時の期限までは保証しますが、当面の間、食べる分には特に問題はないですよ・・・というユルめの品質保証となっています。

この厳しさや緩さはどこからきているのでしょうか?

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熟成と腐敗と細菌

こうした基準に関わってくるのが、細菌です。無菌の食品なんてものは存在しません。

真空パウチにいれて、人間が1000回くらい被爆死するくらいの放射線(通常、滅菌に使われる放射線はγ線)で滅菌でもすれば完全無菌の食品を作ることはできるでしょうが、そんな危険な行程をすべての食品に行うことなどできません。

故に、基本的にどんな食品にも、衛生的に徹底管理していても雑菌はいます。

逆に細菌の管理さえできれば、食品の劣化というのは生肉であっても相当遅くなります。

実際に高級牛肉の多くは、無菌化した冷蔵庫で2週間、長いものでは1ヶ月以上「熟成」させたものが流通しています。

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消費期限・賞味期限は細菌が悪影響を及ぼすまでの時間

衛生管理が徹底した食品工場であっても、ホコリなどの汚染物を100%ゼロにすることは困難です。

作業員を全員、無菌服に着替えさせて、肌の露出を一切ゼロにする、致死性ウイルスを取り扱うくらいのボディースーツを着せて作業させるのも無意味。そもそも大半の食品自体に菌はどこからともなく入り込んでいるからです。

消費期限・賞味期限は、食品中の細菌が食品自体に悪影響を及ぼすまでの時間という意味合いがあります。

これらの期限は食品ごとに法律で決められているわけではなく、製造者が、材料の鮮度や加工時の衛生状態、そして保存状態などから、ガイドラインに沿って設定されています。

故に食品のラベルには製造者という形でなんらかの名前が入っているわけです。

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賞味期限設定とペナルティ

例えば、仮に、どこかのスーパーの店長が刺身の賞味期限を3年先に設定して販売しようが法的には違法ではありません。

ただその腐り果てた刺身を食べてお腹を壊した人が居た場合、それは製造者の責任が生じます。

そして、食中毒を出した店舗は営業停止XX日などというペナルティが課されます。

それじゃ営業できませんから、ちゃんとした期限になっているわけです。ただ、店舗によってはギリギリまで粘っている店もあり、店によっては鮮度が何となく違うのはそういう理由があります。

また妙に油臭いコロッケなどを扱っている格安スーパーなどでは、期限切れのコロッケを再度揚げることで賞味期限を蘇生させて、再度陳列するなんてこともあります。

衛生的、法的には問題ないので行われることがあります。別に違法でもなんでもないですが、その辺のさじ加減がお店全体の雰囲気を作っているとも言え、高級っぽいスーパー、安っぽいスーパーなんて空気感につながっているかもしれませんね。

長くなるので次回に続きます。次回は「消費期限切れの食品の中で起きていること」。

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著者紹介

くられ
くられ

サイエンス作家、タレント。シリーズ累計20万部の「アリエナイ理科」シリーズを始め楽しい科学書の分野で15年以上活躍。週刊少年ジャンプ連載「Dr.STONE」においては科学監修を務め、フィクションと実科学との架け橋として活躍中。TV番組「世界一受けたい授業」「笑神様」「MATSU」ぼっちの出演や、YouTubeで80万再生を超える科学動画を「主役は我々だ!」と共同製作も。仕事の依頼や関連情報は https://twitter.com/reraku

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