【財布の中にある金属】硬貨はどんな金属で出来ているのか?

生活と科学
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初出:2018/07/03 Vol.283 硬貨って何で出来てるのか?
改稿:2021/09/12

Joker
Joker

おや、じゃらじゃらと小銭を出してどうしたんですか、先生。

くられ
くられ

今日は硬貨の話でもしようと思ってね。身近な金属だし。

Joker
Joker

そういえば、5円玉は南京錠なんかと同じで真鍮が使われているそうですね。

くられ
くられ

うむ。だから新品は金色だけど錆びてすぐくすむんだよね。

Joker
Joker

南京錠も古いのだと茶色どころか真っ黒になってるのもありますしね・・・ところでこのカギのシリンダー部分なんですが・・・

くられ
くられ

はいはい、その辺の話に触れるのはヤバい気がするからそこまで。

Joker
Joker

ここからが楽しいところなのに・・・

もっとも身近な「財布の中にある金属」

日頃あまり気にする事もありませんが、財布の中に入っている小銭・・・硬貨というものは、当然ながら金属で出来ています。

世界にはそれこそ数多の金属がありますが、そこら辺にイットリウムが転がっていたり、ユーロピウムが硬貨に使われていたりすることはありません(笑)。

いわゆる汎用金属というものがあるわけです。

そして、財布の中にある硬貨も、ちょっと掘り下げていくと、色々な側面があります。

よくよく考えてみると、雑に扱われる事も多いのに、そうそうすり減ったりして駄目になったりしない訳で、そういった部分にも色々な工夫がされているのです。

今回は、この身近な「財布の中の金属」を科学してみようかと思います。ちょっとした話題にでもなれば幸い(笑)。

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硬貨を種類ごとに見てみる

1円玉

1円玉はアルミニウムで出来ています。

半径が1cmちょうどで、1gに調整されている事は知っておくと何かの物差しになるでしょう。

大量の1円玉を持ち込んでお会計みたいな嫌がらせをしても、重さで測ってはい終わり、になるわけです。

そもそも、貨幣は額面金額の20倍までを限度として通用するように法で定められているので、20枚を超えると受取拒否ができるんですけどね。

この辺はその昔、某アルマジロの怪人先生のご先祖マジロが絡んでいるとかいないとか・・・(笑)

さておき、アルミは軽くて丈夫な金属で、地殻にも非常に多いのですが、酸化物から酸素をはぎとって金属にするのがすさまじく大変です。

腐食しにくい金属なので、リサイクルが重要な金属でもあります。

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5円玉

銅と亜鉛の合金である、真鍮が使われています。

金色の金属ですが、すぐに錆びて表面がくすんでしまうので、金とはまったく異なります。

実際、新品の五円玉と錆びた五円玉の差は明らかですよね。中には錆びが進みまくってすごい色になっているのを見かけたこともあるのでは?

真鍮は比較的硬いので、南京錠なんかにも使われています。

こういう感じで、新品ならピカピカしているけど、使っていくうちにどんどんくすんでいき、屋外で使われてて野ざらしになってるものなど、かなり濃い色に変色しているものもちらほら見かける・・・というのは冒頭茶番でJokerが言ってる通り。

また、Zippoライターに使われることもあるようです。

使い込んでいくうちに味のある色合いになるのが良い、という愛好家もいるそう。

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10円玉

10円玉。これは銅でしょ、知ってる!

・・・と、そう言われることも多いのですが、厳密には違います。

実は純粋な銅ではなく、亜鉛が4%、スズが1%程度含まれた「青銅」というものが使われています。

社会の教科書で習う「青銅器」の青銅です。青銅というともっと青っぽい、緑色を想像するかもしれませんが、あれは大気中で参加が進み、炭酸塩である「緑青」で覆われた結果です。

本来の色は10円玉のような赤銅色から、添加物の量の加減によって黄金色から白銀色に変化します。

なお、10円玉は青銅とはいっても、大半が銅なので、銅と思ってもそれほど差し障りはありません。

なぜ合金にしているのかというと、純銅はかなり柔らかい金属なので、硬貨として摩耗性を高めるため青銅にしてるのです。

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50円玉、100円玉、500円玉

最後に、50円玉、100円玉、500円玉の話をまとめます。

これらの硬貨には、実はちょっとマニアックな金属が使われています。

銅とニッケルの合金で、銅が70%の白銅というものです。

同じ銅を使った合金でも、10円玉の場合は柔らかすぎるためでしたが、この場合はそれとは逆。

ニッケルは非常に硬い金属のため、含有率を上げすぎると硬貨としては硬くなりすぎてしまいます。

硬いと何がまずいかというと、擦れ合った時に他の硬貨を削ってしまうのです。

これを踏まえた上で、合金の割合が調整されているます。

なお、50円玉と100円玉は同じ素材ですが、500円玉はさらに亜鉛が含まれているため、質感がちょっと違います。

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生活と金属

というわけで、最初にちょっと触れた通り、硬貨ひとつ取っても、簡単に摩耗しないように、硬すぎず、柔らかすぎず、と、考えられた上で合金が使われている次第です。

財布から目を離し、世界を見るとそれこそ無数の金属が使われています。

とはいえ、身の回りに最も多いのは鉄でしょう。

ただ、この鉄にしても、クロムなどと合金にしてステンレスになると、磁石に付いたり付かなかったりします。なので、鉄は磁石に付く・・・というので覚えていると、間違う事もあるわけです。

生活していく上では、鉄、アルミニウム、銅、真鍮、さらに金、銀くらいの区別が付けば、普通は困る事はありません。

素材がわかれば「錆びる錆びない」がわかりますし、そうなると、入れて良いもの、良くないもの、保存方法、錆落としの方法などが「物性科学」的に見えてくるわけです。

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隕石から取れる「隕鉄」は鉄とニッケルの合金?

しろへび先生をお招きした対談動画では、隕石とナイフの話に触れました。

そして、隕石に含まれる隕鉄は鉄とニッケルの合金だそうですが、酸を使って磨いて現れる独特の模様は、実は今の技術では人工的に再現することができないとか。

気になる方はぜひ動画をご覧ください。

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著者紹介

くられ
くられ

サイエンス作家、タレント。シリーズ累計20万部の「アリエナイ理科」シリーズを始め楽しい科学書の分野で15年以上活躍。週刊少年ジャンプ連載「Dr.STONE」においては科学監修を務め、フィクションと実科学との架け橋として活躍中。TV番組「世界一受けたい授業」「笑神様」「MATSU」ぼっちの出演や、YouTubeで80万再生を超える科学動画を「主役は我々だ!」と共同製作も。仕事の依頼や関連情報は https://twitter.com/reraku

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